研究課題/領域番号 |
21K01705
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
佐藤 厚 法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (10388051)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ホワイトカラー / キャリア形成 / 仕事と教育の関連 / 自律的キャリア意識 |
研究実績の概要 |
本研究では、英独日のホワイトカラーのキャリア形成についての国際比較研究レビューを試みた上で、英独日のホワイトカラーを対象とした調査(Web調査:調査エリアは日本、ドイツ、イギリス。調査対象は各国のホワイトカラー従事者。目標最低サンプル数として各国700人{計2100人}を設定)を実施し、その結果をまとめた。主な事実発見として以下が指摘できる。 イギリスは、転職経験者比率が多く仕事と教育の関連性は中間、仕事経験の範囲は(勤続年数に占める最長職能経験年数比率では)中間(実務経験パタンでは狭い)で昇進選抜時期は早く、自律的キャリア意識は高い、といえる。またドイツは、転職経験者比率が中間だが仕事と教育の関連性は強く、仕事経験の範囲は狭く、昇進選抜時期と自律的キャリア意識はイギリスと日本の中間、といえる。 そして日本は、転職経験者比率が少なく、仕事と教育の関連性は弱い。仕事経験の範囲は勤続年数に占める最長職能経験年数比率でも実務経験パタンでも広く、昇進選抜時期は遅い。そして自律的キャリア意識は低いといえる。 以上を踏まえると、日本のホワイトカラーは、仕事と教育の関連付けが弱い下で、特定企業で幅広い仕事経験とゆっくりした昇進をベースとした長期的キャリア形成を行う、そして自律的キャリア意識は低いという特徴付けが可能である。これに対して、イギリスは、高い自律的キャリア意識を有したホワイトカラーが複数企業を経験しながら管理職に昇進していく。またドイツは、仕事と教育との関連付けが強い下で、特定の職業にそったキャリアを形成していく、という特徴付けがそれぞれ可能であろう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
以下の理由から、本研究の現在までの進捗状況は、当初の計画以上に進展している。 第1に、英独日それぞれの国の職業教育訓練制度と労働市場との関係についての先行研究サーベイについては、ほぼ達成し、すでに成果物(「職業教育訓練(VET)と労働市場の関係について」『生涯学習とキャリアデザイン』2021年Vol.18,No.2)としてとりまとめている。 第2に、英独日のホワイトカラーのキャリア形成についてのWebアンケート調査は、業務委託先の協力も得られたことから目標通りのデータを収集することができた。さらにそのデータセットを分析することで、有意義な知見を得ることができた。 第3に、データ分析の結果を、研究論文(「ホワイトカラーのキャリア形成に関する英独日比較ー大企業管理職を中心とした実証分析」『生涯学習とキャリアデザイン』2021年Vol.19,No.1)としてまとめることができた。 以上の研究成果を踏まえると、一つの研究成果として本研究をまとめる目途がついたといえる。
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今後の研究の推進方策 |
研究の進捗は当初の予定よりも順調だったことから、Webアンケート調査で得られた英独日のデータを分析した結果に、英独日それぞれの国の職業教育訓練制度と労働市場との関係についての先行研究サーベイ作業の成果を統合して、2022年度中に学術研究図書として刊行する予定である。
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