本研究では、フォロワーシップ行動の規定要因である職務特性や組織文化が、内在的なフォロワーシップ行動に及ぼす影響と、その効果として、職務満足などの組織の有効性を示す指標を取り上げ、アンケート調査から収集した数量データによる実証検証を行ない、組織の職務特性・組織文化がフォロワーシップ行動を媒介変数としてどのような組織の有効性につながるか、その関連性を明らかにした。 具体的には、アンケート調査データを使用し、職業性ストレスモデルを援用した職務特性が職務満足を伴うフォロワーシップに与える影響モデル、組織文化が職務満足を伴うフォロワーシップに与える影響モデルの2つの構造方程式モデルを明示し、モデルの有効性を確認する実証検証を行ない、その因果関係を明らかにし、いずれのモデルにおいても職務特性や組織文化が職務満足を伴うフォロワーシップに影響を与えていることが明らかになった。このことは、フォロワーシップという内的要因が、職務特性あるいは組織文化という外的要因によって影響があることを意味しており、経営管理の観点からフォロワーシップ開発において職務特性や組織文化という外的要因をコントロールすることにより、フォロワーシップが変容することが可能であることを示している。 また、職務特性とフォロワーシップの関係性についてと、官僚的組織文化とフォロワーシップの関係性について、各関係を定量化・可視化し、フォロワー、上司や組織にフィードバックを行い、従業員の意識改善、上司の部下への指導、職場環境の改善等に活用できるツールの開発を行った。
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