研究課題/領域番号 |
21K01722
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
小沢 貴史 大阪公立大学, 大学院経営学研究科, 教授 (50367132)
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研究分担者 |
加藤 厚海 岐阜大学, 社会システム経営学環, 教授 (10388712)
柴田 仁夫 岐阜大学, 社会システム経営学環, 准教授 (10758436)
柴田 淳郎 滋賀大学, 経済学部, 准教授 (10437452)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 同族企業 / 産地 / 制度理論 / 社会情緒資産 / 地域貢献活動 / 同業組合 / 海外進出 / 産業集積 |
研究実績の概要 |
1)産業集積内で同調行動を引き起こす制度的圧力の要因と主体 2)その制度的圧力の内容と拡大・強化のメカニズム 3)同調行動の結果、産業集積が変容(活性・衰退化)していく過程 これらの3点を明らかにするために、酒造業の産業集積を研究対象とする。具体的には、代表的な産地である兵庫(灘五郷)、京都(伏見)、広島(西条・呉)、山口(岩国・周南)を基に比較検討を行う。酒造業は歴史が長く、同族企業の一族は地域の名士であることが多い。各産地と同業者組合、各企業でのインタビュー調査を通じて、上記の3点を解明する。1)と2)は、各産地の同業者組合と企業に関する資料の収集やインタビュー調査から、同業者組合や地域社会への貢献に関する活動の記録を調べる。これらを踏まえて3)を解明することで、同業者組合による規範的・強制的・模倣的同型化(DiMaggio et al., 1983)の結果として、衰退化した産業集積もあれば、制度的圧力を回避・無視する企業が出現することで、活性化する産業集積があることなどが明らかになる。 今年度は、現地調査・歴史資料の収集について、清酒の各産地を分担した。仮説の発見、理論的貢献については、データを持ち寄った後で、全員で議論した上で行ってきた。各産地の組合および地場の同族企業に対するインタビュー調査と歴史資料の収集を行ってきた。兵庫・灘五郷には26社の酒造メーカーがあり、京都・伏見には22社、広島21社(西条8社、呉10社、竹原3社)、岩国・周南9社(岩国5社、周南4社)がある。過年度に行ってきたインタビュー先以外の同族企業を調査するとともに、過年度にインタビューを行った同族企業にも捕捉調査を行った。調査の結果は、学会発表(日本商業学会など)をしたり、学術誌に投稿したりした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
インタビュー、歴史資料の収集、研究成果の発表のいずれも遂行することができた。 課題点としては、インタビュー調査を行った同族企業の数が少なかった点を指摘することができる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は研究成果の発信はもちろんのこと、インタビュー調査の拡充により、追加的に必要なデータの収集に努めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
インタビュー調査に要する交通費や消耗品費の使用額が少ないことが起因する。これは調査対象企業の都合により、インタビュー調査のアポイントが取りにくかった点を指摘することができる。また歴史資料の収集・分析にあたって、想定額よりも少なく住んでいたことも指摘できる。 2024年度は、当プロジェクトの最終年度であることから、助成いただいた額を使い切ることができるように、追加のインタビュー調査を積極的に行っていきたい。また研究成果の発信において、原稿料の支払いを請求されていることからも、そちらにも使用できるようにしたい。
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