本研究は、従来の社会福祉や公共政策とは異なるソーシャル・アントレプレナーシップという新しいアプローチから、障害者就労の問題とその解決方法について、フィールド調査を通じて明らかにすることを目的としています。この研究では、障害者の就労問題やその解決方法について学術的に解明するとともに、問題解決に役立つ実践的な示唆を導き出すことを目指しております。3年目にあたる令和5年度には、令和4年度における国際学会(Academy of Management )やワークショップ(Organization Studies)での発表及びそこで得られたフィードバックを踏まえ、研究成果の質を向上させながら、国際学会誌に論文を投稿するための準備を進めました。特に、福祉とビジネスという2つの側面の間に生じる緊張をソーシャル・アントレプレナーシップがいかに対処できるのかについて、理論的・実践的な示唆を導くことに力を入れました。その際、当該研究領域において優れた研究実績を有する代表的な研究者からも貴重な助言を頂くことができ、研究成果を改善することができました。最終的には、令和5年度内に、マネジメント研究の国際的な学会誌に論文を投稿をすることができました。高いレベルの国際誌の場合、厳しい査読プロセスを経て論文を修正していくことになるため、研究成果の出版までには、長い時間を要することになります。しかし、そのために必要な進歩を遂げることができました。
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