研究課題/領域番号 |
21K01731
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研究機関 | 松本大学 |
研究代表者 |
兼村 智也 松本大学, 総合経営学部, 教授 (70367548)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 人の現地化 / 中小企業 / 新型コロナ / アジア |
研究実績の概要 |
本研究は新型コロナウイルスにより国境を跨ぐ人の移動が制約されるなか、アジアの日系中小企業の経営課題であった「人の現地化」が進むのか否か、その要因は何かを明らかにするものである。 本年度はその初年度にあたり、まず「人の現地化」にかかる先行研究をレヴューし、本研究における「人の現地化」を定義、次いで、その進展を決める要因を、①適切な現地人材、②人材育成等の企業の取り組み、③経営者の属性・考え、④顧客からの要請と考え、現地に日本人駐在員を置く地域中小企業にヒアリング調査を実施した。 そこで明らかになったことは、進出先が中国の場合、要因①と要因③、ASEANの場合、要因①があり、加えて想定外の要因として⑤日本から送り出す人材の不足があった。 逆に、将来的にもその意向はないとする企業が多く、その要因は③で、近年では進出国の環境変化(現地人件費上昇による日本とのコスト差の縮小、現地企業の台頭)により「人の現地化」よりも日本人駐在者を残すことが競争優位性をもつという考えもみられるようになってきている。 その一方、国内では地域志向を強める従業員は増えており、駐在者の確保が難しくなっていることも明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では50社程度の地域中小企業へのヒアリング調査を計画していたが、本年度はコロナ禍の影響で10社程度の実施にとどまった。2022年度以降、企業調査(データ)を増やし、この報告の補強・修正していく。
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今後の研究の推進方策 |
同件にかかる地域企業からのデータを増やすことが必要である。これには新型コロナの感染状況によるが、条件付きながら、行動制約も緩和される方向にあり、実現可能の見通しを持っている。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度はコロナ過のなかで調査研究活動が制約を受けた。そのため企業ヒアリングもオンラインで対応可能とした企業のみの実施となった。結果、旅費の発生がなく、全額が次年度への持ち越しとなった。同制約も緩和の方向にあるため、次年度については対面での調査研究活動が可能になり、研究費の使用も進むと考えている。
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