研究課題/領域番号 |
21K01738
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研究機関 | 小樽商科大学 |
研究代表者 |
猪口 純路 小樽商科大学, 商学研究科, 教授 (40405486)
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研究分担者 |
金 雲鎬 日本大学, 商学部, 教授 (10410383)
秋山 秀一 兵庫県立大学, 経営研究科, 教授 (30388889)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 先行型市場志向 / 反応型市場志向 / コミットメント / 信頼 / 企業家志向 / リレーションシップ / B to B / 過程追跡法 |
研究実績の概要 |
本年度については、一部計画の変更をおこない、過去に収集したアンケ―ト・データに基づく分析モデルの構築/検証を進め、国内外での学会報告、海外学術雑誌への投稿をおこなった。 本年度の当初計画では、①企業家志向と事業成果の関係についての文献レビュー、②市場志向およびネットワーク・ケイパビリティを媒介/調整変数とする分析モデルの構築、③インタビュー調査を通じた事例収集を行う予定であった。 しかし、コロナ禍で上記③のインタビュー調査がほとんど不可能であったことや、対面で集中的に議論することが容易ではなかったことから、過去に収集していたアンケート・データを用いることで、上記②に挙げた市場志向およびネットワーク・ケイパビリティを媒介/調整編変数とする分析モデル構築と検証を進めることとなった。 その結果として、先行型市場志向と反応型市場志向、ネットワーク・ケイパビリティとしては信頼とコミットメントを用い、小売企業の事業成果に関する分析モデル構築をおこない、その成果について海外学会(IMP Conference 2021)で報告し、海外学術誌に投稿をおこなった。さらに、ネットワーク・ケイパビリティについては、分担研究者によって国際学会での報告(IMP Conference 2021)が行われたほか、既存研究のレビュー論文を海外ジャーナル(Industrial Marketing Management誌)に投稿し、掲載された。加えて、同研究分担者によって、事例分析の方法論についても、国内学会(日本商業学会全国研究大会)で報告がおこなわれた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定に比すると、新たな事例の収集、企業家志向を組込んだ分析モデルの構築という点ではやや遅れがあるものの、他方で計画を部分的に変更したことによって、研究の一部について論文化、国内外での学会報告、海外学術雑誌への掲載といった成果があがっている点では当初予定を上回る成果があがっている。したがって、全体としては、「おおむね順調に進展している」と考える。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の主目的である企業家志向と事業成果の関係を明らかにするために、本年度に進展した市場志向およびネットワーク・ケイパビリティと事業成果を組込んだ分析モデルを活用しながら、新たな分析モデルの構築を進める。 具体的には、企業家志向に関する既存研究について文献レビューと議論を進めることで、新たな変数や変数間の関係について検討を進める他、コロナ禍の状況が落ち着くようであれば、当初計画よりも遅れているインタビュー調査を通じた事例収集に注力し、そこから得られた発見事実を組込んだ新たな分析モデルの開発を進める。もしも、今後もインタビュー調査が容易でない状況が継続するようであれば、2次情報を活用した事例収集と分析をおこなう。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍によってインタビュー調査がほとんど不可能であったこと、対面でのミーティングもほとんど行えなかったことから、次年度使用額が生じている。 コロナ禍が収まり次第、本年度に行えなかったインタビュー調査を実施する必要があること、また適宜の対面でのミーティングが必要であることから、次年度使用額と翌年度請求額が併せて必要となる。 なお、コロナ禍が継続し、インタビュー調査が引き続き困難である場合、2次情報を活用した事例分析を進める予定であるが、その際には新聞・雑誌記事データ・ベースを利用する必要があることから、やはり次年度使用額と翌年度請求額が併せて必要となる。
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