研究課題/領域番号 |
21K01739
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
井原 基 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 教授 (00334144)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | マーケティング・チャネル / 流通 / タイ / ベトナム / 中国 |
研究実績の概要 |
本研究計画は、新興国特有の流通機構の下での企業の適切なチャネル選択の探求を目的とした国別・企業別の比較事例研究を進めるものである。2021年度は研究計画の初年度にあたり、20年度までの科研費基盤C(16K03769)の成果と繋がる部分の研究成果公表を進めると同時に、次年度以降の研究計画に向けた布石を打った。前回科研費とも接続する研究成果は、以下の3点である。(1)『マーケティング史研究』創刊号に「新興国におけるマーケティング史研究の可能性」という論文を執筆した。その中に、本科研費の成果も生かし、中国の日用化学(トイレタリー)メーカー、立白のチャネル戦略の歴史や、東南アジアの華人ネットワークと日本企業との関係史についての考察を展開した。(2)日本のライオンとタイのサハパット社との合弁会社タイライオンの経営史・マーケティング史についての研究成果が『経営史学』に掲載された。(3)タイにおける洗剤ブランドの発展史とマーケティングについての研究を取りまとめ、2021年9月に開催されたWorld Business History Conferenceで発表するとともに、論文を作成して海外学術雑誌に投稿した。
次に、次年度以降の研究の展開に向け、以下2点の活動を行った。(4)中国の現地系・外資系トイレタリーメーカーのマーケティングの発展とチャネル戦略の展開について、ECチャネルを中心に中国語資料を中心とする文献・資料の収集を更に進めた。その一部を論文「アジア新興諸国におけるビジネスと社会発展」に公表した。(5)ベトナムのトイレタリーメーカーのチャネル戦略をまとめるため、既存論文の加筆と追加的な資料収集を行い、その成果をマーケティング史学会で報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前回科研費との接続により初年度から研究成果の公表を行うことができた。また次年度以降の研究活動に向けた資料の収集や原稿執筆を行うことができた。海外での現地調査については、当初から2021年度は困難であるとの見通しから、計画に組み込んでいなかった。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は引き続き研究成果の公表に努めるとともに、国内外の現地調査の再開に向けて取り組んでいきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度での使用を見込んでいたデータベースPassportを他の科研費で賄うこととしたため、230,358円の次年度使用額が発生した。次年度についてはPassportを本科研費から支出することとしたいため、次年度使用額は全額消化される見込みである。
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