研究課題/領域番号 |
21K01761
|
研究機関 | 千葉商科大学 |
研究代表者 |
大平 進 千葉商科大学, 商経学部, 准教授 (30709001)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | コーペティション / サプライチェーン・レジリエンス / ネットワーク / 産業財マーケティング |
研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、本年度の前半においては、従来目標としていたインタビュー調査の実施は困難な状況であることに変わりがなかった(インタビュー調査が困難な状況については、「現在までの進捗状況」にて説明する)。下半期にかけて様々な活動が正常化の方向に向かい、学会活動や企業との交流も対面でおこなわれるようになり、状況の改善の兆しが見えた。しかしながら下半期は、学内業務が増加したため、文献による調査アプローチがメインとなってしまい、思うような対外的な研究活動には至らなかった。 そのような状況ではあったが、12月に沖縄で開催された国際学会(IMP ASIA 2022)では本研究とは別の研究費プロジェクトではあるものの、発表する機会を得た。当該学会は、産業財マーケティングを主要な研究領域としており、本研究のテーマと非常に近いものである。このため、世界中から集まった研究者らと交流を深め、本研究プロジェクトに関しても意見交換や相談をおこなうことができた。また、3月には、これも本研究とは別の研究費プロジェクトではあるものの、アメリカで開催された2023 AMA Winter Academic Conferenceに参加することができた。同様に、そこでは意見交換のみならず、様々な助言を得ることができた。 課題の残る一年ではあったものの、フィードバックを得られたことは有意義であり、来年度に本研究を前進させる上で重要な活動を実施できたと言える。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実績の概要で述べた通り、新型コロナウィルスによる対外的活動の制限、とりわけ対面でのインタビュー調査を実施するには至らなかった。理由は以下のとおりである。 本研究が調査対象としているのは購買・調達責任者であり、サプライチェーン・レジリエンス(強靭なサプライチェーンづくり)において中心的な役割を担っている方々である。新型コロナウィルスによるサプライチェーンの寸断や、コロナ禍が収まりつつあるなかで始まった原材料不足にともなう様々な困難な状況に第一線で奮闘している方々であると言える。このため、学術調査に協力できるような雰囲気が十分に醸成されていない状況であった。このような状況を踏まえ、インタビュー調査は難しいと判断し、実施を見送った。加えて、個人的な事情ではあるが、所属先異動という内的要因が重なったために、本研究に遅れが生じている。
|
今後の研究の推進方策 |
現在までの進捗状況で述べたような本研究に遅れを生じさせている外的要因は、見方を変えると、絶好の研究機会でもある。具体的には、サプライチェーン・レジリエンスの寸断イベントとそれにともなう競合他社間の協力といった現象は各所で報告されており、まさに本研究が問題意識としていた企業の行動として捉えることが出来る。研究の進捗という意味では困難な状況ではあったが、来年度以降に進展ができるように、活動を加速させていきたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
もっとも大きな理由は、インタビュー調査を見送ったためである。前述した通り、本研究が調査対象としているのは購買・調達責任者であり、サプライチェーン・レジリエンス(強靭なサプライチェーンづくり)において中心的な役割を担っている方々である。新型コロナウィルスが引き起こしたサプライチェーン寸断時や、コロナ禍が収まりつつあるなかで始まった原材料不足にともなう様々な困難な状況において、サプライチェーン回復のために第一線で奮闘している方々である。このため、学術調査に協力できるような雰囲気が十分に醸成されていないと判断し、インタビュー調査の実施を見送ってきた。以上のような状況から、インタビュー調査をもとにした仮説導出や、その後のサーベイ調査の実施に至らず、研究費の使用が次年度に生じている。
|