研究実績の概要 |
2022年度に前年度のファッション市場における消費者調査に基づいて、国際ジャーナルの査読付き論文1本を完成した。当該論文は2022年10月に公開された。 Miao, M., Numata, H. and Ikeda, K. (2023), "A qualitative comparative study of Japanese fashion brands via profiling young shoppers", International Journal of Retail & Distribution Management, Vol. 51 No. 2, pp. 170-189. https://doi.org/10.1108/IJRDM-09-2021-0418
本論文では、複雑理論に基づき、質的比較分析(fsQCA)を用いて非対称的なデータを分析し、ファッション・ブランドの知覚要素およびロイヤルティ・プログラムの視点より行動的ブランド・ロイヤルティの生成プロセスを考察した。本研究は2つの課題に答えられた。それは、(1)コロナ時代において若者世代(18-25歳)はファッション・ブランドに対して、ロイヤルティ・プログラムをどう知覚し、個人の特徴や消費習慣を踏まえたブランド・ロイヤルティがどう生成したかをみることと、(2)日系ファッション・ブランドをストアの数と価格帯によって3種類に分類し、それぞれのタイプのブランドはロイヤルティを高めるための戦略を考察することである。 本研究は新しい分析手法を導入し、ブランド・ロイヤルティの研究に理論的なインプリケーションを提示した一方、日系ファッション企業に対して顧客セグメンテーションに関する実践的な戦略を示すことができた。本研究の分析結果をふまえて、次年度に日本と外国人消費者との比較を行い、ロイヤルティの生成プロセスをさらに考察していきたいと考える。
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