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2021 年度 実施状況報告書

業績連動報酬がインセンティブに与える影響に関する分析

研究課題

研究課題/領域番号 21K01806
研究機関筑波大学

研究代表者

中村 亮介  筑波大学, ビジネスサイエンス系, 准教授 (40549713)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード業績連動報酬 / インセンティブ / パフォーマンスプラン / 債務契約
研究実績の概要

本研究の目的は,報酬制度に関するデータを手収集することにより,どういった種類の報酬制度が導入されているかを把握したうえで,それらが企業の投資行動などへ影響を及ぼしているのかを検証することである。
2021年度は,報酬契約とそれ以外の契約との関係を検討する論文を執筆した(中村亮介(2021)「日本企業の報酬契約のシフトと債務契約のデザイン」『會計』第200巻第3号,68-80頁。)。そこでは,報酬契約がリスクテイク行動を促すことを所与とし,債務契約と報酬契約の関係にフォーカスすることで,そこから生じるであろう債権者の富の減少をどのように防ぐかを検討した。そのためには,①報酬契約に関する情報開示を拡充し,債権者が事前に経営者のリスクテイクの確率を見込むことができる環境を整備すること,②債務契約締結後のリスクテイク確率の変化に対応するため,パフォーマンス・プライシング条項を取り入れること,③経営者による利益調整のインセンティブを抑制するため,純資産維持条項に利益エスカレーターを取り入れることを提案した。
また,関連研究として,金融機関へ実施したアンケート調査をもとに分析した結果を掲載した論文(Kochiyama, T., R. Nakamura, and A. Shuto (2021) "How Do Bank Lenders Use Borrowers’ Financial Statements? Evidence from a Survey of Japanese Banks," CARF F-522.)を公表した。さらに,財務制限条項でなぜ,経常利益がよく用いられるのかを検討した研究の報告を行った(中村亮介・河内山拓磨(2021)「日本企業の財務制限条項において会計利益が果たす役割」日本会計研究学会第80回全国大会,九州大学。)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

報酬データベースの構築は順調に進行している。また,2021年度は論文2本,著書2冊(分担執筆),学会報告2回であった。
以上の事実より,本研究課題の進捗状況は「おおむね順調に進展している」と判断した。

今後の研究の推進方策

2022年度は報酬データベースの構築をさらに進める。また,現在投稿中の論文が公表予定である。
そして,米国の報酬データベースを契約し,日本企業の報酬契約との差を検討する予定である。

次年度使用額が生じた理由

米国のデータベース契約が次年度にずれこんだため。2022年度上半期に契約を行い,報酬契約の日米比較を行う予定である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 図書 (2件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] 日本企業の報酬契約のシフトと債務契約のデザイン2021

    • 著者名/発表者名
      中村亮介
    • 雑誌名

      會計

      巻: 200 ページ: 68-80

  • [雑誌論文] How do bank lenders use borrowers’ financial statements? Evidence from a survey of Japanese banks2021

    • 著者名/発表者名
      Kochiyama, T., R. Nakamura, and A. Shuto
    • 雑誌名

      CARF Working Paper

      巻: F-522 ページ: 1-63

  • [学会発表] 日本企業の財務制限条項において会計利益が果たす役割2021

    • 著者名/発表者名
      中村亮介・河内山拓磨
    • 学会等名
      日本会計研究学会
  • [学会発表] 新収益認識基準が比較可能性に与える影響―アンケート調査を用いた実証分析―2021

    • 著者名/発表者名
      中村 亮介・小澤 康裕・塚原 慎・吉田 智也
    • 学会等名
      グローバル会計学会
  • [学会発表] 財務制限条項の実態・影響・役割2021

    • 著者名/発表者名
      中村亮介・河内山拓磨
    • 学会等名
      日本経済会計学会
    • 招待講演
  • [図書] 会計学・簿記入門(第16版)2021

    • 著者名/発表者名
      新田忠誓他12名(分担著・中村担当12頁分)
    • 総ページ数
      356
    • 出版者
      白桃書房
    • ISBN
      9784561352259
  • [図書] エッセンス簿記会計(第17版)2021

    • 著者名/発表者名
      新田忠誓他18名(分担著・中村担当12頁分)
    • 総ページ数
      410
    • 出版者
      森山書店
  • [産業財産権] 不正会計検出方法,その装置及びそのプログラム2021

    • 発明者名
      尾崎幸謙(代表)
    • 権利者名
      尾崎幸謙(代表)
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      2021-152001

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公開日: 2022-12-28  

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