研究課題
基盤研究(C)
社会ネットワーク分析は人間関係を計量的に分析する手法である。本研究では、社会ネットワーク分析で広く用いられている中心性概念について理論的な検討を行った。まず、社会ネットワーク分析の源流のひとつであるソシオメトリーの日本の社会学での応用をふりかえり、方法上の特徴や限界について明らかにした。また、社会ネットワーク分析における認識論上の立場を3つに整理し、特に潜在的な社会構造を分析する方法として、近年進展した統計的ネットワーク分析や機械学習の意義について考察した。
社会学
人と人とのつがなりを人間関係の網の目(社会ネットワーク)としてとらえたとき、重要な位置を占める人を明らかにする手法が中心性分析である。しかし、中心性はネットワーク構造上の位置にのみもとづくものであるにも関わらず、その人の能力や実績の指標として拡大解釈されてしまうことがある。本研究では中心性概念を整理してその含意を明らかにするとともに、近年進展した統計的な研究法における中心性の意味づけを行った。