研究課題/領域番号 |
21K01860
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
片岡 仁美 岡山大学, 大学病院, 教授 (20420490)
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研究分担者 |
藤井 智香子 (磯部智香子) 岡山大学, 大学病院, 助教 (00534744)
渡邉 真由 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (20794332)
三橋 利晴 岡山大学, 大学病院, 助教 (30716890)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ダイバーシティ&インクルージョン / 働き方改革 / 性別役割分業意識 / 男女共同参画 / ワークエンゲージメント |
研究実績の概要 |
女性医師支援が医療現場に及ぼす影響を大学病院及び地域において働き方改革の観点、構成員の意識変容、住民への影響の観点から分析し、働き方改革に寄与する望ましい女性医師支援について提言することが研究の概要である。2021年度は予備調査として2021年2月に岡山大学に在職する全教職員に対して行ったアンケート調査における岡山大学医療系キャンパス教員データを解析し、性別役割分業意識や勤務時間、ワークエンゲージメントについて解析した。回答者の属性は以下のとおりである。男性91名女性49名その他2名の計142名であった。年齢分布は40-50代が85%であった。職位は助教が36.8%でその他の職位は10%台であった。週あたりの勤務時間は50-60時間が26.6%、60-70時間が23.0%、70-80時間が14.4%、80時間以上が7.2%であり、週60時間以上が44.6%に上った。性別役割分業意識については、家族を養うのは男性の役割であるとする意見が54.3%と過半数を超え、子どもが3歳くらいまで母親は育児に専念すべきであるとする意見は25.3%であったが、男女ともに仕事・家事育児介護の両立ができた方が良いとする意見は90.1%であった。ワークエンゲージメントについては、「活力」の設問に平均79.2%、「熱意」の設問に平均93.4%、「没頭」の項目に平均85.4%が肯定的回答(いつも、とても、よく、時々感じる)をしていた。ワークエンゲージメントを男女別にクロス集計した結果では、明らかな男女差はみられなかったが、女性において「いつも感じる」とする意見の割合が男性より高い傾向がある一方否定的回答も男性より高く、二峰性となる傾向が見られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度の計画として質問紙の作成と新見地区でのサーベイのための住民説明会を予定していた。質問紙については、元々予定していた項目「短時間勤務の女性医師の存在によって、仕事量の変化、負担感の変化など職場環境にどのような影響があったか」、という点に焦点を当てる。また、「性別役割分業意識や勤務時間、家事労働時間についても明らかにする。」という課題について、性別役割分業意識や勤務時間、家事労働時間について予備調査を行うことで本調査の質問紙作成の準備を行った。また、ユトレヒト・ワーク・エンゲイジメント尺度については既存の尺度を使用する予定であったが、今回の予備調査で特徴的な知見が得られたため、さらに踏み込んだ調査を行う予定である。住民説明会及び住民アンケート用の質問紙については過去のサーベイの文献的考察を行っている段階である。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に予備調査を行った内容を踏まえ、医師に対するオンラインアンケートを実施する。また、地域住民に対するアンケートも用紙を発送して回収を行う予定である。両アンケートの結果を解析し、必要な追加調査があれば検討する。今年度は研究チームに生物統計を専門とする共同研究者と協働することにより、研究の精度を上げる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度に出産したため産前産後休暇および1か月間の育児休業を取得した。このため、2021年度予算の残額分は2022年度で使用して研究を加速する予定である。研究チームに生物統計を専門とする共同研究者と協働することにより、研究の精度を上げる予定である。
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