研究課題
岡山大学病院では女性医師支援プロジェクトとして、大学病院の他に医師不足地域(新見地区)において事業展開を行っている。最終年度は、新見地区における約9年間の女性医師支援プロジェクトが地域医療に果たした役割を検証するために、地域医療に関する住民意識調査を行った。新見地区の1病院の外来を受診した成人患者100人を対象に無記名アンケート調査を行った。主な結果を示す。新見地区プロジェクトがこれまで行ってきた医療従事者への研修や地域住民と医療従事者の交流については、必要性や信頼性、安心感を評価する回答がほとんどであった一方、医療従事者との交流にハードルを感じたり時間の確保が難しいと考える回答もみられた。女性医師が地域で働くことについて、医療者をより身近に感じるようになる、医療に対する信頼性が増す、との回答はそれぞれ8割以上に達した。住んでいる地域の医師の過重労働について、約3割の回答者で過重労働の認識があった。医師のワークライフバランスについてはほぼ全員が必要であると回答した。医師の負担軽減のために心がけていることとして「時間外受診をしない・減らす努力」「かかりつけ医を決める」など何かしら心がけている人は約9割に達した。10年前と比較して改善した点として、受診やアクセス面での改善点のほか、希望する診療科、専門医、女性医師に診てもらえるようになった点が挙げられた。一方、緊急時や困ったときにいつでも診てもらいたいという改善点を希望する回答が多かった。本調査では女性医師支援が住民視点による地域医療の充実に寄与していることが明らかになった。本研究課題では、女性医師支援が職場の意識と働き方、地域医療に及ぼす影響について調査・解析を行い、女性医師支援が職場の意識や共感性のポジティブな変化、働き方改革の推進、地域医療の充実に寄与することを示した。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 4件) 備考 (1件)
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