研究課題/領域番号 |
21K01862
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
高畑 幸 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (50382007)
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研究分担者 |
辻本 登志子 立命館大学, 国際関係学部, 准教授 (50749851)
原 めぐみ 和歌山工業高等専門学校, 総合教育科, 准教授 (90782574)
矢元 貴美 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 准教授 (40830089)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 結婚移民 / 在日フィリピン人 / 高齢化 / 移民女性 |
研究実績の概要 |
本研究において在日フィリピン人高齢者を対象とする聞き取りのデータ収集は2021~2022年度で終了した。そのため、2023年度は語りの文字起こし、分析と成果報告を行った。 語りの音声の文字起こしは、日本語とフィリピン語の通訳・翻訳者に依頼し、2023年度に全ての文字起こしを終えることができた。 語りの分析は各研究者が分担して行った。その後、2023年7月および9月にオンラインで研究会を行い、社会参加、教育、ジェンダー等、各自の研究視点から調査対象者の語りを分析して報告した。研究成果の包括的な報告として、2023年9月10日に宮城学院女子大学で行われたフィリピン研究会全国フォーラムにて、4人でパネル報告「在日フィリピン人女性の高齢化―関西地方在住の82人の語りから―」を行った。会場内ではフィリピン研究および社会学、文化人類学の研究者から本研究プロジェクトへの意見および評価を得ることができた。 そのほか、各研究者が本研究プロジェクトの聞き取りデータを利用して学会報告および論文の執筆を行った。なかでも、主要な学会誌への掲載は、原めぐみの「グローバル・ハイパガミー再考 ―フィリピン人結婚移民への調査から」(『社会学評論』に掲載)、高畑幸の「在日フィリピン人結婚移民の高齢化―老後の居場所をめぐって」(『移民研究年報』に掲載)、主要な学会報告は、辻本登志子の「在日高齢結婚移民女性の語りから見えてきた年金へのアクセスの課題とは何か」(移民政策学会)である。2024年度はさらに研究成果を学会報告や論文執筆の形で広く発表していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
申請当初は、在日フィリピン人高齢者の聞き取り対象者数を3年間で50人程度と見積もっていた。しかし、2021・2022年度に既に合計82人の聞き取りを行うことができた。その後、語りの文字起こしとデータの分析を行い、2023年度は語りのデータを使用して研究成果を口頭報告および論文の形で公表することができている。
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今後の研究の推進方策 |
今後も、本研究プロジェクトで得た語りのデータをもとに、在日フィリピン人の高齢化に伴う生活課題および政策提言を明らかにし、研究者のみならず、研究対象者に対してもその成果を公表したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
実質的なデータ収集を2021・22年度で終えたため、その後は物品費および旅費の支出が少なく済んだ。2024年度は成果報告のための物品費(書籍等)と旅費の支出が発生する見通しである。
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備考 |
高畑幸・米野みちよ「研究ノート・日本における外国人ケア労働者の受け入れ枠組みの変遷とその評価」『国際関係・比較文化研究』 22(1):145-166、2023年 高畑幸「フィリピン人結婚移民の高齢化―子どもとの関係を中心に」『Mネット』 227:10-11、2023年 原めぐみ「ケアする居場所:外国につながる親と子をまとめて支える」『anjali』親鸞仏教センター、43: 10-13、2023年
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