研究課題/領域番号 |
21K01871
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研究機関 | 常葉大学 |
研究代表者 |
杉村 豪一 常葉大学, 法学部, 准教授 (80739516)
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研究分担者 |
金 成垣 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (20451875)
松江 暁子 国際医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (00734831)
金 圓景 明治学院大学, 社会学部, 准教授 (40635182)
金 世徳 大阪観光大学, 観光学部, 教授 (80600098)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 福祉国家 / 経済発展 / アジア / ヨーロッパ |
研究実績の概要 |
本研究は、早期に経済発展を遂げた国々と、近年になって経済発展を遂げた国々との間に見られる、福祉国家の制度化の水準の違いを説明するとともに、福祉制度の未発達な国における社会的な問題への対応を明らかにするものである。 2022年度は、前年度の準備的な検討の結果を踏まえ、経済発展の時期により福祉国家の発展に有利な経済的条件(フォーディズム経済の成立)と政治的条件(階級対立に沿った政党システムの形成)がもたらされるか否かが決定するという仮説に関する実証分析を進めた。これまでの研究を通じて、欧米諸国と韓国等の新興国の間には、仮説を支持する経済様式と政治的構造の違いが存在し、この両者が福祉国家形成に大きく影響していることが明らかになりつつある。 加えて、新興国における福祉供給の状況を明らかにするため、関連分野の研究者に話を聞いたり韓国での現地調査を行ったりした。すでに、新興国では従来の福祉国家とは異なる指向を持つ福祉の発展が見られることが示唆されていたが、該当年度の研究を通じて、韓国における「自活事業」を始め、そこでの具体的な方策が明らかになってきた。 併せて、以上の研究に関連する研究報告や論文等の公表を進めたこと、各国の研究者や実務家と連絡を取り合い、今後研究を進める上で必要なネットワークを構築したことも、2022年度の活動の成果である。一連の研究は、欧米等と新興国の福祉をめぐる状況を比較し、その多様性を理論化する上で、必要不可欠な知見を与えるものであったといえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は、研究開始段階で予定していた分析や調査を一定程度進めることができた。他方で、コロナウイルスに関する各国の動向を見つつ現地調査の可能性を模索していたこともあり、未だすべての調査が完了しているわけではない。以上を踏まえ、研究の進捗状況を「おおむね順調に進展している」と評価する。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、海外での現地調査など残された調査・分析をなるべく早期に完了するとともに、研究成果の公表に注力していく方針である。最終的には、国際シンポジウムで研究成果を報告し現地の研究者らからフィードバックを得た上で、研究期間を通じて蓄積された知見を書籍または論文等にまとめていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度は国内での意見交換やオンラインによる調査等を行ってきたが、新型コロナウイルス感染症の流行が収束傾向を示したため、該当年度後半に海外における現地調査を実施することとした。しかし、国によっては渡航や関係施設への訪問が難しい場合もあり、2022年度内にこの調査を完了することができなかった。これが次年度使用額が生じた理由である。2023年度は、この予算を使用し現地調査等を進める計画である。
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