研究課題/領域番号 |
21K01872
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
竹下 修子 愛知学院大学, 文学部, 教授 (60454360)
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研究分担者 |
石川 義孝 帝京大学, 経済学部, 教授 (30115787)
花岡 和聖 立命館大学, 文学部, 准教授 (90454511)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ヘテロローカリズム / 居住パターン / エスニック集団 / 外国人 / 集住 |
研究実績の概要 |
都市内におけるエスニック集団の集住地やセグリゲーション、およびその変化に関する説明的枠組みとして、ヘテロローカリズム論を用いて、日本における少数派としてのエスニック集団の集住をめぐる多様な実態を具体的なデータに即して詳細に検討するための基礎資料を作成した。 交付申請書で述べた令和3年度の研究実施計画は、①既往研究のレビュー、②総務省統計局に令和2年国勢調査の個票データの利用申請手続きを開始、③ボリビア人、アフガニスタン人、ラオス人の人口動態の分析、④ボリビア人へのインタビュー調査、の4点であった。交付申請書では、調査対象をボリビア人、アフガニスタン人、ラオス人としていたが、対象とする外国人の範囲を広げ、トルコ人を追加した。 ①については、内外の関連文献の収集を行い、成果を整理した。②については、令和2年国勢調査個票データの全項目の提供が可能になるのが令和4年12月頃になるため、利用申請手続きの開始が令和4年8月頃になる。しかし、個票データの提供を令和4年12月に受け、令和5年度に大学紀要に成果を発表し、その後に英語論文をまとめて海外の雑誌に投稿できるように研究を進めれば、国勢調査個票データの提供を受ける時期の遅れはかなり挽回できる。③については、『在留外国人統計』と『出入国管理統計』を用いて、ボリビア人、アフガニスタン人、ラオス人、トルコ人の人口動態を分析した。④については、三重県に居住するボリビア人を対象に、対面およびオンラインでインタビュー調査を実施した。追加したトルコ人のインタビュー調査も並行して行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和3年度は、『在留外国人統計』と『出入国管理統計』を用いて、ボリビア人、アフガニスタン人、ラオス人、トルコ人の人口動態を分析した。また、当該エスニック集団に関する既往論文のレビューを行い、成果を整理した。これらに基づいて、当該エスニック集団の居住状況に関する包括的な説明枠組みの検討のため、インタビュー調査を実施した。以上は、当初の計画に基づいた作業であり、現在までの進捗状況はおおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
人口規模が小さなエスニック集団であるボリビア、アフガニスタン、ラオス、トルコの国籍者の居住状況に焦点を当て、ヘテロローカリズム論の妥当性を広く検証し、日本におけるエスニック集団の居住パターンを説明する分析枠組みを構築する。 令和4年度は、ボリビア人、アフガニスタン人、ラオス人、トルコ人の社会的ネットワークやエスニック・アイデンティティに関するインタビュー調査を実施する。ラオス人のインタビュー調査は令和5年度に実施する予定であったが、これを前倒しで行う。 定量的分析に関しては、令和2年国勢調査個票データの提供が可能になるのが令和4年12月頃であり、今年度中に分析をはじめることができる。令和2年の国勢調査の氏名以外の全18項目を用いて、ボリビア人、アフガニスタン人、ラオス人、トルコ人の居住パターンを検証する。当該国籍者の居住パターンの変化を考察するために、平成27年国勢調査個票データの利用申請も予定している。令和4年度は、統計センターにオーダーメイド集計を依頼する予定であったが、個票データの提供の遅れを挽回するため、オーダーメイド集計を依頼せず、総務省統計局から個票データの提供を受け次第、代表者と分担者で集計を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画書では、令和3年度の設備備品費として、携帯可能な高性能のPCを計上したが、令和3年度助成金(代表分)で購入するには予算が足りなかったため、令和4年度助成金と合わせて購入する。(本報告書作成時点で発注済)
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