• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

個人化社会における公共圏・親密圏の変容とジェンダー―ライフヒストリー分析から―

研究課題

研究課題/領域番号 21K01876
研究機関新潟大学

研究代表者

杉原 名穂子  新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (00251687)

研究分担者 村尾 祐美子  東洋大学, 社会学部, 准教授 (20408959)
喜多 加実代  福岡教育大学, 教育学部, 教授 (30272743)
千田 有紀  武蔵大学, 社会学部, 教授 (70323730)
石川 由香里  立正大学, 文学部, 教授 (80280270)
中西 祐子  武蔵大学, 社会学部, 教授 (90282904)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワードライフヒストリー / ジェンダー / 個人化
研究実績の概要

本年度は新潟市在住の市民を対象に聞き取り調査を実施した。2023年9月から2024年3月にかけて合計9名、内訳は女性5名、男性4名、年齢はサンプリングを実施した2019年調査段階で30代2名、40代3名、50代4名である。対象者は以下の方法で依頼を行った。2019年、住民基本台帳からサンプリングをした量的調査において、今後予定のライフヒストリー調査の依頼をし、協力可能と答えた回答者に対し、コロナ中断後の2023年に再度依頼の連絡を取り、調査の趣旨、方法、個人情報の扱い、謝金などを説明したうえで、協力を申し出てくださった方である。2024年度には東京都の住民を対象にする予定であり、とりあえず2023年度は年齢や性別が偏らないように選んだ9名を対象者とした。ほぼ新潟県出身であり、現在も新潟に住んでいる方であるが1名県外出身で現在横浜市に引っ越している。相手方の要望に応じてzoomを用いた遠隔調査と対面調査を用いた。質問項目は、子供の頃の育った環境、家庭、地域、学校、職場などについて記憶にあるものを語ってもらった。
調査は承諾を得て録音し、一部文字おこしを行ったが2024年に分析を進めていく予定である。現在注目しているものとして以下のものがある。戦後の昭和の時代には規範が強かったが、次第にそれが緩んでくるが、同時にさまざまな配慮が職場や学校などの領域で求められるようになったこと、ネットの普及によりコミュニケーションや職種などに変化が起きていること、テレビやメディアなどで得た知識で貧困問題をとらえていた回答者が、具体的な状況に触れることで認識が変わったこと、ネットによりさまざまな問題が知られるようになった反面、その知識が中途半端であることが新たな問題をひきおこしていること、などである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナの影響で、聞き取り調査の開始が2年近く遅れた。一般市民を対象にした調査であるため、慎重を期したためである。また東京都での調査を担当した分担者が健康を害したため、まず新潟市から実施をし、東京都の調査は2024年度に実施することとした。

今後の研究の推進方策

本年度は7月~9月にかけて東京都の住民を対象に調査を行う。調査対象者の選択や実施の方法は新潟市調査と基本的に同じとする。人数をみて新潟市でも追加が可能であれば追加調査を行う。
調査後、録音媒体から文字おこしをし、それぞれの分担者がテーマに応じて分析を行う。 複数回研究会を実施し、成果発表について検討を行う。2023年度におこなった聞き取り調査については2024年度中にその一部を論文として発表するが、その際には対象者に対し用いるデータのフィードバックを行い、了承を得る。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナの影響により聞き取り調査を2年近く実施できず、2022年度に一部先行調査を行った後に、2023年度から本格的に開始した。2024年度に引き続き調査を継続する予定で研究期間を延長したため、次年度使用額が発生した。
2024年度は東京都聞き取り調査のための旅費、謝金、文字おこし代金に加え、研究成果についての研究会を新潟で実施する予定でありその旅費を計上する予定である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 未成年期に父母が離婚した人は面会交流と重要事項決定についてどう考えているのか:父母の不和理由『暴力や虐待』群と『それ以外』群の比較2024

    • 著者名/発表者名
      村尾祐美子
    • 雑誌名

      東洋大学社会学部紀要

      巻: 61(2) ページ: 33-44

  • [雑誌論文] 結婚・交際に対する社会関係資本の影響2024

    • 著者名/発表者名
      石川由香里
    • 雑誌名

      立正大学人文科学研究所年報

      巻: 61 ページ: 11-21

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 地方ミッション系女子大学卒業生の社会関係資本と幸福感-宮城学院卒業生のジェンダー意識・友人関係に着目して2024

    • 著者名/発表者名
      天童睦子 石川由香里
    • 雑誌名

      宮城学院女子大学キリスト教文化研究所『研究年報』

      巻: 57 ページ: 1-28

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 日本における教育とジェンダーギャップ2023

    • 著者名/発表者名
      中西祐子
    • 雑誌名

      We Learn (月刊・ウ ィラーン)

      巻: 832 ページ: 14-15

  • [雑誌論文] 青少年のジェンダー観とセクシュアリティの変容2023

    • 著者名/発表者名
      石川由香里
    • 雑誌名

      社会学研究

      巻: 108 ページ: 27-52

    • 査読あり
  • [学会発表] コロナ禍で大学での学修はどのように変容したか2023

    • 著者名/発表者名
      中西 裕子
    • 学会等名
      日本社会学会
  • [学会発表] 仕事の世界のジェンダー統計:情報収集・集計・公表をめぐって2023

    • 著者名/発表者名
      村尾 祐美子
    • 学会等名
      国際ジェンダー学会
  • [学会発表] 地方女子ミッション教育と社会関係資本―卒業生調査の分析から―2023

    • 著者名/発表者名
      石川由香里
    • 学会等名
      日本教育社会学会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi