研究課題/領域番号 |
21K01880
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
渡久山 清美 琉球大学, 人文社会学部, 講師 (70533991)
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研究分担者 |
渡久山 幸功 琉球大学, 国際地域創造学部, 客員研究員 (20412869)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | Okinawa / US military in Okinawa / US online media / Framing effects / Journalism of Care |
研究実績の概要 |
令和3年度は、Web上のPBS, BBCの報道の動画を中心に分析を行った。映像資料のスクリプトの書き起こしを全て自身で行い、テキスト分析を進めている。映像は研究分担者とともに分析し、スクリプトと映像のFraming effectsに関して検証している。 より正確な分析を行うために、質的データ・テキスト分析の方法論についての図書・資料の精読も同時に進め、質的データ研究ソフトでデータベース作成を試みている。テキスト分析を通して、沖縄や沖縄(人)のステレオタイプ形成や在沖米軍基地に関して報道される事実の確認も行っている。 メディアによっては、在沖米軍基地関連報道において、沖縄の住民や研究者の意見を積極的に報道する姿勢も見られ、過去の海外メディアの報道と比較すると、沖縄の住民の心情は報道に反映されてきているといえる。しかし、信頼あることで定評のあるメディアの報道にも明らかな事実誤認があることも確認した。ファクトチェックを進め、沖縄の実際の状況と海外メディアの報道の差異を指摘し、なぜそのような報道がなされるのかについて分析を続けている。現在、米国の公共放送サービス(PBS)の沖縄関連報道についての論考を執筆中。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021年度は新型コロナ(デルタ株)の感染拡大で県外大学の付属図書館でデータベースの確認を行うことがかなわなかった。オンライン上にアップされている海外放送メディアの沖縄関連報道(英語)のスクリプトのデータベースにアクセスできないため、自身で全て書き起こしを進めており、予想以上に時間がかかっている。 また、家族が急病で長期間入院したため、入院時そして退院後のケアに注力しており、まとまった研究時間の確保が困難な状況が続いている。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度は、令和3年度の調査分析結果を米国PCA/ACA学会で発表予定であったが、コロナ禍で断念した。おそらく、4年度中は、予定していた米国の大学でのリサーチなどは困難であると思われるため、可能であれば、本研究に関連するデータベースを擁する国内の大学附属図書館で資料収集を行う。引き続き、2009年~2015年の映像・テキスト分析を行う。 令和5年度は3年度と4年度の調査・分析結果を沖縄県内外の学会、大学の紀要などで発表する予定である。2016年~2020年の資料分析を進めると同時に、日本国内で入手が困難な資料を次年度の国外でのリサーチで収集できるように確認を行う。 令和6年度はGeorge Washington Universityの付属図書館にある Global Resources Centerを中心に資料や文献を調査・収集する。もしくは米国の学会の年次大会で発表する。前年度の中間発表に2021年~2022年の論考を加え発表する。 令和7年度は、研究代表者と分担者は各自で、テキスト・映像分析を論考にまとめる。5年間の研究成果として、アメリカのWebメディアによる沖縄(人)表象の基本的な傾向を明らかにし、ファクトチェックを行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和3年度は、Web上のPBS, BBCの映像資料のテキストの分析を行った。県外大学に出張し、附属図書館などで映像資料のスクリプトが含まれているデータベースにアクセスする計画を立てていたが、新型コロナ感染拡大のため、調査がかなわなかった。 令和4年度は、調査対象となる海外メディアを定期視聴・購読し、個々のメディアのデータベースへのアクセスを確保するために予算を活用したい。恐らく、予定していた米国の大学等でのリサーチは困難であるため、可能であれば、必要なデータベースを擁する県外大学の付属図書館などで調査を行う。
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