研究課題/領域番号 |
21K01882
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 星槎大学 |
研究代表者 |
保屋野 初子 星槎大学, 共生科学部, 特任教授 (20772841)
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研究分担者 |
秋山 道雄 滋賀県立大学, 環境科学部, 名誉教授 (00231845)
東 智美 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 准教授 (70815000)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 統合的水資源管理(IIWRM) / 北タイ / ムアン・ファーイ / 住民組織 / 参加型水管理(PIM) / 利水者の主体化 / 資源共同管理 / 国営土地改良事業 |
研究成果の概要 |
持続可能な水資源管理において重要な位置を占める農業用水管理において、末端利水者の視角から効率的で平等配水を実現するための要素を事例研究から探求した。北タイの国営大規模灌漑事業のメーラーオ堰と伝統的灌漑システムであるムアン・ファーイのジャオウォー堰、日本の愛知川沿岸土地改良区の3つの灌漑システムの現地調査を行い、それぞれの水管理の実態と課題、変遷を分析した結果、いずれの事例においても末端の利水者・組織が自ら用水管理の「主体」となっていく過程および利水者間協議の場の創出・再編が必要であることがわかった。したがって利水者の組織化だけでは不十分で、利水者の主体化が重要な要件であることが示唆された。
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自由記述の分野 |
環境社会学/水資源管理研究/流域論
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
持続可能な水資源管理をめざして提唱されている統合的水資源管理(IWRM)には、事例蓄積による実践的な内実が求められている。その課題に対し本研究では、上からの政策による水資源管理の統合が進む流域における複数の灌漑システム現場で生じている動きを捉え、実際に水を使う末端の「主体」である利水者・水利組織に着目して事例分析を行った。これにより、異なるタイプの灌漑システムにおいても、末端の資源利用主体の視角から解決策を具体的に積み上げるボトムアップアプローチが効果的かつ重要であることを示した。IWRMの課題に対し、一つの実践的なアプローチを示唆しえたものと考える。
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