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2023 年度 実施状況報告書

海外で育つ日系児童の言語習得と文化的帰属意識について

研究課題

研究課題/領域番号 21K01883
研究機関獨協大学

研究代表者

岡村 圭子  獨協大学, 国際教養学部, 教授 (70383205)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
キーワード日本語 / 移民 / 子ども / アイデンティティ / 変遷 / 現地化
研究実績の概要

2023年4月から7月にかけては、申請テーマに関連した資料を整理・精査しながら、現地でのヒアリング調査の準備を進めた。
同年8月には、調査対象であるデュッセルドルフ・バイリンガル補習校(ドイツ)にて、聞き取り調査を実施。教室の様子を見学した後、校長や講師、同校に子どもを通わせている親たちにインタビューを行った。また、同時期に、デュッセルドルフ市内のギムナジウムにて、日本語科目の授業の様子を見学。あわせて、中高生向けの日本語を教える日本語教員と、継承語としての日本語を教える日本語教員にも話を聞くことができた。帰国後、そこでの調査を記録し、追加取材などを行った。
2024年2月から3月にかけては、草加市内の日本語ボランティア団体を取材。かつて取材したとき(10年前)の状況からの変化や昨今の支援対象者の傾向、さらに、コロナ禍による外国語母語話者支援の様子について聞き取りをした。
現段階で明らかになってきたことは、ドイツ(のギムナジウム)において、外国語のひとつとして「日本語」を選択することは、日本にルーツを持つ子どもたちにとって有利なこととして捉えられ、ドイツの大学に進学するための戦略的な選択肢のひとつにもなっているということである。ここに「現地化」の多様な形態が見て取れる。すなわち、完全に現地の(ドイツの)言語をマスターすることよりも、ドイツの大学進学に有利に働く成績を取るために、すでに親しんでいる言語(日本語)を「外国語」として学び、より効率的によい成績を取ることを目指す、というかたちで現地化を進めている(計画している)ケースである。こういったケースは珍しいものではなく、近年、増えていると日本語教師らは異口同音に語っていた。
今年度は、以上のような研究実績である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナ禍での渡航宣言により延期されていた現地(ドイツ)調査を再開できたため。

今後の研究の推進方策

2024年度もドイツでの調査を実施し、日独の状況を比較しながら、この3年間であたためてきた最新の論点(現地での進学・就職のための戦略としての母語選択の可能性)について考察する。
また、日本社会学会、関東社会学会、もしくは多文化関係学会などで研究報告を行い、学会誌に成果を投稿する。

次年度使用額が生じた理由

2023年度に予定していた国内外の学会発表の旅費や調査にかかる支出が、少なかったため。
2024年度は、前年度よりも多くの学会発表と調査を計画している。

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公開日: 2024-12-25  

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