研究課題/領域番号 |
21K01906
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研究機関 | 福岡県立大学 |
研究代表者 |
陸 麗君 福岡県立大学, 人間社会学部, 准教授 (70803378)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 華僑華人 / 外国人 / トランスナショナル起業 / ホスト社会 |
研究実績の概要 |
本研究は、少子高齢化の日本社会における在留外国人のトランナシスョナル起業を華人・華僑の起業に焦点を当て、その特徴とメカニズムを解明し、在日外国人の起業が彼らの社会移動及び日本の地域社会に与える影響を明らかにすることを目的とするものである。 研究初年度となる本年度は当初の計画では以下の3点を実施することとしていた。つまり1)先行研究に関する文献・資料の収集と分析を行った上で、華僑・華人起業者及びホスト地域の日本人へのインタビュー調査を行うこと、2)華人・華僑企業の確定とそれらの企業に対するアンケート調査を実施すること、3)中国におけるトランスナショナル起業の実態を把握するために、主に上海とその周辺地域にいる外国人起業者の聞き取り調査を行うことである。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、研究活動が制限され、2)の華人・華僑企業の確定などアンケート調査の準備作業にかかる移動が困難になる事態が生じたため、本年度のアンケート調査の実施は見送ることとした。また3)の中国上海及び周辺地域での調査も新型コロナウイルス感染症の拡大による国際旅行の制限から実施を見送ることとした。一方、1)トランスナショナル起業を中心に、関連する新聞・雑誌記事、論文、図書等の収集と基礎資料の整備に努力した。また新型コロナウイルスの感染防止を注意しながら、華僑・華人起業者の起業経緯と実態、特に新型コロナウイルス感染症の拡大によるビジネスへの影響に関するインタビュー調査及び華人・華僑の集住地での中国系住民に対するインタビュー調査はできるだけ実施してきた。 研究成果としては、国際ワークショップでの研究発表、特集論文の執筆及び研究書の編著が挙げられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度実施予定であった華人・華僑企業へのアンケート調査は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により行うことが困難になったため、本年度内の実施は見送ることとした。質問紙の設計、そして必要文献・資料の整備などはほぼ計画通りに進めている。次年度以降、新型コロナウイルスの感染状況を見極めて、適切な時期にアンケート調査を実施する予定である。 また、国際移動や中国のゼロコロナ政策の影響により中国での現地調査は難しい状況が継続することも考えられるため、代替的な調査方法の具体的な検討も進めている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は華僑華人起業家の聞き取り調査を引き続き行う。それとと同時に、本年度実施する予定であった華人・華僑企業へのアンケート調査は、新型コロナウイルスの感染状況を見極めて、適切な時期に実施する予定である。 また、中国での調査に関しては、国際移動や中国のゼロコロナ政策の影響などにより中国現地で調査が難しい状況が継続される場合は、当初の研究計画の目的を達成できる代替的な調査方法に変更する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度実施予定であった質問紙調査及び一部のインタビュー調査が、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴って実施が困難になったため、本年度内の実施は見送った。いずれの調査についても、できる限り次年度内に、新型コロナウイルス感染症の感染状況を見極めたうえで、適切な時機に、当初の計画通りに実施する。
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備考 |
書評:奈倉京子編著『中華世界を読む』(東方書店、2020年) 日中社会学会『日中社会学研究』2022年第29号 pp.213-215
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