研究課題/領域番号 |
21K01911
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
久保田 裕之 日本大学, 文理学部, 教授 (40585808)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 友情結婚 / 性愛規範 / 恋愛 / 友情 / 家庭内離婚 / 親なり規範 / 契約結婚 / 偽装結婚 |
研究実績の概要 |
3年目となった令和5年度は、研究概要で示した4つの計画のうち、3)友情結婚当事者を対象とした聞き取り調査(事業者外)を部分的に終えたほか、4)引き続き、共同生活における恋愛関係と友人関係についての理論構築にむけた文献の渉猟・整理を行った。 第一に、当事者への聞き取り調査に先行しておこなう予定だったアンケート調査を一旦凍結し、事業者外から募集した友情結婚当事者への聞き取り調査を優先して行った。結果として、3名の当事者への聞き取りを行うとともに、遅れているアンケート調査への参考にすることができた。 第二に、恋愛関係と友人関係、とりわけ恋愛関係を持てない/持たないという選択と、その代替としての友人関係という観点から友情・友人関係に関する文献を収集し、理論構築に向けた分析を含むいくつかの原稿にまとめた。ひとつは、友人関係は恋愛関係を代替可能かという問いをめぐって「友人関係と共同的親密性」と題した論考(令和6年5月刊行予定)を執筆したほか、青少年研究会のデータを用いて友人関係が恋愛関係を監視するか/促進するかというテーマに取り組んだ「大学生の恋愛関係と友人関係」と題した論文(令和6年度8月刊行予定)を執筆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画にはなかったものの、メインの友情結婚当事者に対する聞き取り調査を補強し円滑に進めるために計画した補助的なアンケート調査の実施が、質問項目の修正や仲介事業者との調整に手間取ったため、大きく遅れてしまっている。この原因は、当初は本研究のための補助的なアンケート調査の中に、事業運営に有用なフィードバックを可能にする副次的な質問項目も同時に組み込む計画だったが、こちらの副次的な質問項目について調整が難航したためである。そのため、令和5年度は、アンケート調査の実施をいったん凍結して、事業者外の聞き取り調査を優先して行う判断をした。引き続きアンケート調査のついての調整を行っているものの、結果として計画全体に若干の遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
4年目となる令和6年度は、事業者外の聞き取り調査をすすめながら、凍結していたアンケートをどう扱うかを決定し、事業者内の聞き取り調査を優先して進める必要がある。もともとは計画になかったものの、聞き取り調査の助けになると判断して取り入れたアンケート調査であったが、結果的にはメインの聞き取り調査の足を引っ張る形になっているため、場合によっては元の計画に戻してアンケート調査を中止し、聞き取り調査を優先する判断が必要になる可能性がある。この場合でも、大きく計画が狂うことはなく、最終年度に若干の積み残しが発生するとしても、問題なく計画を遂行できると考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画より、聞き取り調査の実施に若干の遅れが出たため、録音文字起こしにかかる費用が後ろ倒しになってる。また、コロナ禍による国際学会の開催年度がズレたことと、円安に備えて国際学会出張旅費を多めに確保する必要がある。これは、令和6年度および令和7年度の聞き取り調査と国際学会出張に支出する予定である。
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