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2023 年度 実施状況報告書

マンハッタン計画国立歴史記念公園で形成される文化的記憶

研究課題

研究課題/領域番号 21K01918
研究機関関西大学

研究代表者

桝本 智子  関西大学, 外国語学部, 教授 (00337750)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワードマンハッタン計画記念歴史公園 / 原爆 / 集合的記憶
研究実績の概要

原子爆弾の実験地であるトリニティサイトでの現地調査を行った。毎年語り部として参加をしている地元の歴史家、ロスアラモス歴史協会のツアーを引率しているボランティア、核兵器関連施設を訪問している参加者、トリニティ実験に家族が参加していた人々などから話を聞くことができた。原子爆弾実験による被爆者の団体の活動も目立つものがあった。
現地調査で知り合ったロスアラモス歴史協会でトリニティツアーを企画し、引率しているボランティアをインタビューすることができた。ツアー企画当初はマンハッタン計画の関係者が多く参加していたが、近年はさまざまな関心を持って参加していることがわかった。マンハッタン計画を後世に伝える活動に力を入れているロスアラモス歴史協会は館長やスタッフが入れ替わっており、インタビュー調査を実施した。映画「オッペンハイマー」により、ロスアラモスへの訪問客が数倍増えていることがわかった。展示物やミュージアムショップで販売されるものにも映画に関連するものが見られ、変化が確認された。
マンハッタン計画国立歴史公園の案内所は週に数日しか開いておらず、また、実際のマンハッタン計画の実験所などは現在も政府の機密場所として一般には開放されていない。歴史公園を目的に訪問した人々は実質、ロスアラモス歴史協会とブラッドベリー科学ミュージアムを訪れる流れになっている。
マンハッタン計画国立歴史公園のレンジャーからは、原子爆弾開発やトリニティサイト実験に関する質問が増えていることがわかった。歴史や施設に関連する質問に関しては詳しい説明がされているが、原子爆弾の被害やヒロシマ、ナガサキ、に関する質問は殆どないことから、敢えて説明などはしないとのことであった。マンハッタン計画国立歴史公園設立計画書にある、原爆がもたらしたものについても言及していくことや、地元の協力団体との連携が取れていないことも判明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

パンデミックによる渡航制限のため現地での調査ができない期間が2年以上続いので、その遅れが研究計画に影響をしている。2023度より状況をみながら現地調査を再開している。

今後の研究の推進方策

当初の研究計画では全米の各マンハッタン計画国立歴史公園での現地調査を予定していたが、パンデミックにより2年以上の遅れが生じた。2023年度から現地調査を再開しているが、パンデミック中は現地のミュージアムも一時閉館するなど影響が出ていた。一方で、オッペンハイマーを主人公とするハリウッド映画の効果によりロスアラモスや原爆への関心が以前にも増していることがわかった。延長期間を利用し、マンハッタン計画国立歴史公園を訪問する人々の変化や2025年度に開催される原爆に関する展示を予定しているスミソニアン航空博物館に注目し、現地調査をする予定である。

次年度使用額が生じた理由

研究開始直後に起こった感染症による渡航制限により、現地調査に遅れが生じた。2023年度から再開しており、2024度も引き続き現地調査を実施する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] The Impact of the Movie “Oppenheimer, “Barbenheimer,” and the Complexities of Historical Memory: Transforming Perceptions of the Manhattan Project and Los Alamos2024

    • 著者名/発表者名
      Tomoko Masumoto
    • 学会等名
      South West American Popular Culture Association
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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