研究課題/領域番号 |
21K01932
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
松谷 満 中京大学, 現代社会学部, 准教授 (30398028)
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研究分担者 |
田辺 俊介 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (30451876)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ポピュリズム / 社会意識 / 投票行動 / 民主主義 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、現代日本におけるポピュリスト政党・政治家が、どのような人々によって支持されているのか、その支持構造を質問紙調査から明らかにすることである。 本年度はその目的にそって大都市部を中心に調査を計画していたが、国政におけるポピュリスト政党の台頭と地方への波及も含めた研究を行うべく、衆院選後の21年11月に全国調査を実施した。具体的には48市区町8,640名を対象とした郵送調査を行い、3,081名(転居先不明等を除いた回収率は37.2%)から有効回答を得た。 本調査は、投票行動のほか、ポピュリスト政治家に対する意識、欧米で開発されたポピュリスト態度尺度、ポピュリストの支持構造を明らかにするための経済的・心理的諸変数などを盛り込んだものであり、(ネットモニターではない)無作為抽出にもとづくものとしては国内初の本格的なポピュリズム調査になったといえる。 調査実施後、予定通りすみやかにデータ入力等を業者に依頼し、22年2月にはデータ分析が可能となった。研究協力者とともに調査結果をまとめた報告書を作成し、希望する対象者にも送付する手はずを整えている。この結果はすでにホームページで公開されている。 代表者は、22年3月に本データを用いた分析結果の報告を行った。この報告は直接ポピュリズムにかかわるものではないが、この10年間の社会意識の変化と現在注目されている政治的分極化にかんする最新の知見を示すものとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
国政選挙の日程は流動的であり、調査の準備、サンプリング等の日程に支障をきたす懸念があったものの、多くの協力者を得て、無事、調査を実施することができた。また、都市部のみの調査ではなく、全国調査としたために、当初の計画よりもさまざまな分析が可能になったといえる。その意味で、当初の計画以上の進展をみていると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
1年目の調査によってデータを得ることができたため、今後はさまざまな分析を行い、学会での報告、論文の執筆等を積極的に行う予定である。
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