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2023 年度 実施状況報告書

ピアスタッフの固有性および価値に関する探索的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K01954
研究機関聖学院大学

研究代表者

相川 章子  聖学院大学, 心理福祉学部, 教授 (60383303)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワードピアサポーター / ピアサポート / 価値 / 固有性 / 倫理
研究実績の概要

精神保健福祉領域においては、ピアサポートはリカバリーには欠かせない要素に位置付けられており、ピアスタッフ、ピアサポーターは、ピアサポートの価値を大切にして支援現場で働く新たな職種とされている。日本においても、近年増加傾向にあり、2021年度より障害福祉サービス事業の加算対象として位置付けられた。しかしながら、日本においてはその価値や倫理について共通した基準がなく、さまざまな課題も生じている。本研究では、ピアスタッフの価値および固有性について明らかにし、価値及び倫理規定等を作成することを目的としている。
研究会はピアスタッフ、専門職者、当事者、研究者で構成され、毎月の研究会(オンライン)を行った。そのなかで昨年度(2022年度)に実施したワークショップおよびワーキングによるディスカッションをさらに精査し、ピアスタッフの価値について、23のカテゴリーが生成され、それらを飽和化し、「ピアスタッフが大切にしたいこと(Ver1)」として12項目にまとめた。これに前提となる前文をそえて、A4見開き2ページのリーフレットを作成し、2023年12月「第11回全国ピアスタッフの集い」分科会にて公表した。分科会にて参加者にグループワーク等を行い意見収集をするとともに、アンケートを配布し一人一人からの意見、コメントを得た。これらを踏まえてさらなる改訂作業を行った。
8月にピアスタッフ研究の第一人者であるペンシルバニア大学Phyllis Solomon 教授を招聘し大正大学に講演会を行った。また日本のピアスタッフ2名からの話題提供を受けて、Phyllis教授よりコメントをいただき、ピアスタッフの価値および倫理に関する示唆を得た。
今年度(2023年度)はこれらのプロセス等を公開することを目的に、研究会としてのホームページを作成した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、当初予定していたフィールドリサーチおよびワークショップの実施が大幅に遅れたことにより、研究全体の見直しが必要となった。また、当初、ピアスタッフの倫理綱領(案)、業務指針(案)の作成を目的としていたが、研究協力者との議論を通して、ピアスタッフにとって必要なものとして、これらの前提となるコアヴァリュー(核となる価値)の作成がまずは必要となり、その作成を進めた。それにより、当初の計画から、成果物についても変更することとなった。

今後の研究の推進方策

研究目的であるピアスタッフの価値および固有性を明らかにするにあたり、ピアスタッフらの研究協力者の意見を受けて、ピアスタッフのコアヴァリューとして、「ピアスタッフが大切にしたいこと」を12項目まとめた。
今後は、上記改訂版を研究協力、連携をしている日本ピアスタッフ協会のホームページ上にアップ等を行い、多くのピアスタッフにまず活用していただくように広めていく。
さらに、「ピアスタッフが大切にしたいこと」の作成プロセスおよび事例集をまとめた詳細版冊子を作成する。コアヴァリュー12項目を具体的にどのように実践におとしこんでいくのか、12項目で表現されている具体的な実践とはどのようなものかについて、作成プロセスおよび事例集を通じて、それぞれのピアスタッフが実践のなかで工夫できるような冊子を想定している。また、作成したコアヴァリューをもとに、「倫理規定(案)Ver1」を策定する。
また、これらの作成プロセスを含めて論文化し、公表する。
当初、ピアスタッフの業務指針(案)および雇用ガイドラインについても作成予定であったが、コロナ禍によってスタートが遅くなったこと、ピアスタッフという新たな職種の特性を鑑みて、ピアスタッフにとって必要な役割や業務等についての指針となるものはなにかについて検討する必要があるため、次年度以降の研究とすることとした。

次年度使用額が生じた理由

アメリカ在外研究期間中にご指導いただいたピアスタッフ研究第一人者のPhyllisSolomon教授(ペンシルべニア大学)より、ピアサポート、ピアスタッフ研究については本研究上においても多くの示唆をいただいており、2023年度に講演会および勉強会のための招聘が実現したため招聘や抄録集作成費用等のため次年度予算の前倒し請求を行ったが当初計画より費用が抑えられ一部余剰金が発生した。余剰金は2024年度に研究成果をまとめる作業費用に充てる予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [雑誌論文] ピアサポートが広がっている2024

    • 著者名/発表者名
      相川章子
    • 雑誌名

      こころの元気+

      巻: 18 ページ: 16-17

  • [学会発表] ピアサポートとアウトリーチ2024

    • 著者名/発表者名
      相川章子、笠原健 、彼谷哲志、高橋哲、 磯田重行
    • 学会等名
      一般社団法人コミュニティ・メンタルヘルス・アウトリーチ協会 第2回全国大会in九州
    • 招待講演
  • [学会発表] アドボケーターとしてのピアスタッフ2023

    • 著者名/発表者名
      清田智也、瀬戸崇史、 関口明彦、 相川章子
    • 学会等名
      リカバリー全国フォーラム2023
  • [学会発表] ピアスタッフの価値と役割を考える;ピアスタッフが大切にしたいこと2023

    • 著者名/発表者名
      矢部滋也、眞嶋栄、関口明彦、相川章子、 鶉領太郎、荒井浩道、 横山和樹、濱田由紀
    • 学会等名
      第11回全国ピアスタッフの集い
  • [学会・シンポジウム開催] ピアスタッフの未来:日米のピアスタッフの現状から考える2023

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公開日: 2024-12-25  

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