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2022 年度 実施状況報告書

認知症者の利用を想定した「公共図書館の環境評価指針」の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K01961
研究機関京都橘大学

研究代表者

永井 邦明  京都橘大学, 健康科学部, 助教C (80823567)

研究分担者 小川 敬之  京都橘大学, 健康科学部, 教授 (50331153)
佐川 佳南枝  京都橘大学, 健康科学部, 教授 (70610955)
山川 みやえ  大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (80403012)
松原 茂樹  大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (10399248)
原田 瞬  京都橘大学, 健康科学部, 助教C (10824667)
川崎 一平  京都橘大学, 健康科学部, 助教C (20848725)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード認知症 / 図書館 / 共生 / バリアフリー
研究実績の概要

共図書館は全国に3000以上あり、どの世代も気軽に利用できる。公共図書館は認知症当事者も他の人々と同じように自然な形で地域に溶け込むことができる貴重な場になると考えられており、その役割に注目が集まっている。しかし、公共図書館を活用した現在の認知症施策は地域住民に対する認知症の啓発事業に偏重しており、認知症当事者の利用を支援するという点においては活発に事例報告が行われていない。そこで本研究では、認知症当事者が他の人々と同じように公共図書館を快適に利用できるようにすることを志向し、公共図書館において環境評価を実施している。今年度は、1か所の公共図書館にてキャプション評価を用いた物理的環境に関する意見の抽出を行った。研究協力者は、認知症当事者、当事者の家族、認知症支援に携わる専門職であった。得られたデータを確認したところ、良いと示された評価の具体例に「柱にトイレの場所が大きく表示されていて分かりやすいこと」、悪い点と示された例に「認知症当事者が実際に本の自動貸し出し機を扱った際、20秒程度操作されない場合に画面がリセットされる機能が働いたこと」などが挙げられていた。これらのデータを取りまとめたところ、「わかりやすい表示」「設備の増強」「安全の確保」「イベントの実施」などの対応策が必要となることが示唆された。現在、これらの成果を演題登録しており、学会で発表する予定である。複数の公共図書館でデータ収集を繰り返すことで、公共図書館を軸に認知症当事者を含めた共生社会の在り方を考えるための知見が得られると考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究では、認知症当事者が他の人々と同じように公共図書館を快適に利用できるようにすることを志向し、複数の公共図書館において環境評価を実施する予定である。今年度は、新型コロナウイルスの影響により、公共図書館にて研究者や研究対象者が集う機会を十分に確保できなかった。また、研究者が図書館内やその近隣の構造を動画撮影する機会を得られなかった。よって今年度の研究活動は、1カ所の公共図書館におけるデータ収集にとどまった。

今後の研究の推進方策

当初想定していた公共図書館以外の図書館にも研究協力を要請し、複数の公共図書館においてデータ収集を行う。また、データ収集の方法は必ずしも対面に限定しない。研究者または研究協力者が図書館内やその近隣の構造を動画撮影し、Zoom等のコミュニケーションツールを活用しながら遠隔でキャプション評価を軸とした環境評価及び、インタビューを実施することを検討する。

次年度使用額が生じた理由

今年度は、新型コロナウイルスの影響により、公共図書館にて研究者や研究対象者が集う機会を十分に確保できなかった。また、また研究者が図書館内やその近隣の構造を動画撮影する機会を得られなかった。よって今年度の研究活動は、1カ所の公共図書館におけるデータ収集にとどまった。次年度は複数の施設で追加のデーター収集を行う予定であるため、研究協力者への謝金や、キャプション評価の実施に必要な備品等を購入する予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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