研究課題/領域番号 |
21K01969
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
金川 めぐみ 和歌山大学, 経済学部, 教授 (70335496)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ひとり親 / ケアの倫理 / 社会福祉 / 就労支援 / 生活支援 |
研究実績の概要 |
本研究は、ジェンダー関連分野でも注目される「ケアの倫理」の観点からみて、ひとり親家庭の就業・生活支援施策がいかなる到達状況と課題を有するのかを踏まえ、日・韓・比におけるひとり親家庭の政策形成プロセスの過程を検証するものである。具体的には「ケアの倫理」の視点が反映されやすい当該国のひとり親家庭の就業・生活支援施策の概略を確認した上、この概念が施策形成にどのような形で反映をしているか、当該国の政策決定部署や実施主体の行政部署へのインタビューを行うことにより検証を行うものである。さらに比較国を検討した結果から得られる示唆や課題を踏まえ、日本におけるひとり親家庭の就業・生活支援においてケアの倫理の観点から見たときにどのような現状にあり、かつ現在の到達点はどのようなものか、将来の展望について検討を行うものである。 ひとり親家庭の貧困は、経済的貧困のみならず、労働と育児の双方を担うことにより生じる生活時間の貧困や制度や社会参加の不十分性による社会的排除を含む「多元的な貧困」が指摘される。このような視点を踏まえながら、ひとり親家庭の就労支援をなぜ未だに、日本のひとり親家庭の就労・生活支援の効果が薄いのか、そしてそもそもの施策形成の段階からの視点を総括的に問い直す必要があるのではないか、これが本研究課題の核心をなす学術的「問い」である。そして本研究はこの点を明らかにするため、社会哲学分野におけるケアの倫理の概念を用いつつ、アジア3カ国との比較制度研究の視点から研究を進めている。 これらに基づき令和3年度については、ケアの倫理の先行研究の分析と傾向についてまとめた上、日本のひとり親家庭の就業・生活支援施策についての最新動向事傾向を分析を終えている。諸外国比較については、コロナ禍のため現地調査に入れず、文献調査でそのあらましをまとめているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、ひとり親家庭の生活・就業支援策について、複数国からの国際比較の視点により、その内容を検討・整理を実施している。また、本研究の重要なキーワードとなる「ケアの倫理」の概念に対する先行研究の整理を行っている。 現在までの進捗状況としては、ケアの倫理に関する先行研究の動向について、法哲学・倫理学・社会福祉学の分野による研究のまとめはほぼ終了している。ただひとり親家庭の生活・就業支援策について、複数国からの国際比較については、コロナ禍の中、文献調査のみに終始しており、当該地域の現状を現地において実際に把握ができない状態にある。その点を鑑みて、進捗状況はやや遅れている、に設定した。
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今後の研究の推進方策 |
前記の点を鑑み、複数国からの国際比較については、なるべくオンラインによる情報収集を活用しながら、少しでも現状を把握するように努めていく。とともに、比較国での現地の研究者との意見交換を踏まえつつ、当該国のひとり親家庭の就業・生活支援策の概要を、確実に把握できるように努めていくこととする。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の中、国際比較のための現地調査ができず、そのための費用につき、次年度以降に使用するため繰り越しを行っている。こちらについては、状況を鑑みながら、引き続き現地調査が実施できるかどうかを検討しながら、使用を行っていく予定である。
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