研究課題/領域番号 |
21K01973
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研究機関 | 宮城大学 |
研究代表者 |
糟谷 昌志 宮城大学, 事業構想学群, 教授 (60305349)
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研究分担者 |
田中 尚文 帝京大学, 医学部, 教授 (40255568)
石川 博康 秋田大学, 医学部附属病院, 講師 (60422151)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 介護保険制度 / 心理的支持 / 通所サービス |
研究実績の概要 |
介護保険制度による通所介護及び通所リハビリテーション(通所サービス)は、在宅認知症高齢者に対してリハビリテーション(リハビリ)やアクティビティケア(AC)などを提供することにより、Activities of Daily Living(ADL)や Quality of Life(QOL)の維持・向上などにおいて非常に重要な役割を果たしている。研究代表者らがこれまでに行った調査によると、通所サービスを利用する高齢認知症者のリハビリへの参加状況は認知機能低下とともに有意に不良となっていた。このため、通所サービスを利用する高齢認知症者のリハビリやACへの参加意欲を高めることができれば、リハビリやACへの参加状況はより良好となり、リハビリやAC の効果がより強化され、QOLがより向上するという仮説を立てた。本研究の目的は、通所サービスを利用する高齢認知症者を対象とし、リハビリやACへの参加意欲を高めるように心理的支持を行い、QOLに及ぼす効果を検討することである。具体的には、65歳以上の通所サービス利用者に対して認知症スクリーニングとしてMini-Mental State Examination(MMSE)を実施し、認知症が疑われた利用者に対してClinical Dementia Rating(CDR)により認知症診断を行い、CDRが1以上の利用者を本研究の対象者とする。そして、対象者を通常のリハビリやACに心理的支持を加える群と加えない群の2群に分け、両群のQuality of life in Alzheimer's disease(QOL-AD)のスコアを比較検討する。令和3年度は心理的支持と対照介入に関するプロトコールをそれぞれ策定し、各介入を担当する研究協力者に対して各介入技法を習得するための研修をワークショップ形式で行い、予備的検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大のため、研究協力者に対して研究遂行に必要となる研修をすべての研究協力施設において計画通りに実施することはできなかったが、1か所の研究協力施設については研究体制を整えることができた。
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今後の研究の推進方策 |
研究協力施設のうち、研究遂行に必要な研究協力者の全員が研究に関わる研修を終えた1施設より対象者を登録し、介入を開始する。並行して残りの施設の研究協力者への研修を進め、研究開始の遅れを取り戻し、介入を開始する施設を数か所に拡大して研究を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大により、研究開始が遅れ、研究対象者への評価やアンケート調査に関わる経費が未執行となったため。また、研究協力者とのミーティングを研究協力施設に訪問して対面で行うことを避け、多くのミーティングをオンライン形式に変更したため。次年度以降に実施する評価やアンケート調査に関わる経費および研究協力施設への出張旅費に使用する予定である。
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