研究課題/領域番号 |
21K01979
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研究機関 | 東京福祉大学 |
研究代表者 |
谷口 恵子 東京福祉大学, 心理学部, 講師 (50383138)
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研究分担者 |
牧野 晶哲 白梅学園大学, 子ども学部, 准教授 (50586675)
酒井 佳永 跡見学園女子大学, 心理学部, 教授 (60349008)
横山 恵子 横浜創英大学, 看護学部, 教授 (80320670)
蔭山 正子 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80646464)
前田 直 杏林大学, 保健学部, 助教 (80723494)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 精神疾患を有する者の家族まるごと支援 / 多職種連携 |
研究実績の概要 |
2022年度は、2021年度に実施したインタビュー(精神保健医療福祉関係で働く専門職(精神保健福祉士・保健師等)で、精神疾患を有する当事者を支援している中で、家族支援の必要性を感じたことがある方、11名、および 子ども支援の領域で働く専門職、あるいは子ども・家族の支援に携わる方で、ご家族に精神疾患を有する者がおり、家族支援を試みたことがある方 8名)の結果を分析した。結果として、子ども支援関係者は、「医療側の意見が強い」と感じている。また家族支援の難しさとして「病気のことがわからない」ことが挙がっていた。精神保健福祉関係者からは、情報共有において「病気の説明をする」が連携がうまくいく要素として挙げており、連携がうまくいかない場合には、「病気の理解がされない」を挙げている。良い連携を行うためには、連携をマネジメントする立場の人の存在が必要であり、役割分担と情報共有を適切に担うことが求められることがわかった。 「連携」がうまくいかない要因として、「家族の拒否」等、家族の課題も挙がった。連携をよりスムーズに行うために 「マネジメントする者の存在」など【役割分担】、【情報共有】の在り方がキーワードとして挙がった。この結果を受けて、2022年度は、役割分担や情報共有のより良いあり方を検証するために、アンケート調査を行った。 精神科病院協会及び精神科診療所病院協会のホームページの一覧より選択した医療機関及び、家庭児童相談室、教育相談所、保健センター、合計およそ1000件に対して郵送にて質問紙調査を実施した。質問項目は他機関との連携の有無、連携において困難だった点、工夫できた点等について選択式及び自由記述方式を併用し調査を行った。アンケート調査に関する結果の分析は2023年度に実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度に実施したインタビュー調査に時間を要したために、その後の結果分析についても遅れが生じた。分析を踏まえて、アンケート調査を作成、郵送した。コロナ禍の影響もあり、調査協力機関である医療機関や保健所の多忙さを踏まえ、アンケート調査期間を延長してより多くの調査結果を得られるよう努めた。結果として、研究全体の遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、アンケート調査の分析を行い、結果を学会や論文で発表する予定である。また、本調査は支援者間の連携をテーマにしているが、インタビュー調査、アンケート調査を通して、当事者(病気の当事者とご家族)の声を反映することの必要性を痛感するに至った。そのために、当事者に対するインタビュー調査を実施する。今までの成果を通して、最終的に連携に必要なアセスメントシート、連携を補助する支援者間の情報共有シート等連携に必要なツールを作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度に海外にて視察調査に行くことを計画していたが、コロナ禍の状況も見通せず、海外への視察調査については、オンラインで情報収集を実施すること等に変更することとした。そのため、アンケート調査に費用を使いおよそ1000近い機関にアンケート調査を郵送し協力を依頼した。見積もりでは、より多額の費用がかかる予定であったため、前倒し請求を行った。しかし、アンケートの開封作業や後納郵便の手続きなどできる作業を研究者本人で担ったこと、予定よりアンケート結果の返信が少なかったことから見積もり額よりも低額で調査を実施することができた。結果として次年度使用額が生じた。次年度に、計画をしていなかった調査(当事者(病気の本人と家族)の声を聴くためのインタビュー調査)を実施する予定である。
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