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2023 年度 実施状況報告書

ソーシャルワーカーのカルチュラルコンピテンスにおけるジレンマ克服に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K01999
研究機関目白大学

研究代表者

陳 麗ティン  目白大学, 人間学部, 准教授 (20649545)

研究分担者 田中 敦士  札幌学院大学, 人文学部, 教授 (40347125)
星野 晴彦  文教大学, 人間科学部, 教授 (70453438)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワードカルチュラルコンピテンス / ジレンマ / ソーシャルワーク / 通訳 / エンパワメント
研究実績の概要

3つの調査を行った。メインテーマはカルチュラルコンピテンスにおいて、ジレンマがいかに生じるのかということである。
第一の調査は、台湾の婚姻移民に対するソーシャルワークのシステムであり、そこでは多文化を理解するように努め、また当事者を組織化してエンパワメントするようになっている。同時にソーシャルワーカーは自分が主流文化に押し付けていないかを省察していることが伺われた。しかしカルチュラルコンピテンスのジレンマを感じていることは示されなかった。
第二は、日本で多文化共生に関わっている機関にヒアリングを行った。そこでは通訳を中心にした雇用形態であり、ソーシャルワークを前提とした雇用にはなっていない。しかしソーシャルワークが求められている。そして前線では、子どもや女性に対する厳しい対応をする家族に対して、苦慮していることが伺われた。これは異なる文化で許容されてきたものが日本ではないことが通じないというものであった。
第三はスウェーデンの難民支援に関わっているワーカーに対するヒアリングである。イスラム教徒などに対する対応において、スウェーデンの文化を前提として対処している姿が伺われた。難民の保護者達がスウェーデンの国の文化や規範を十分に理解しておらず、暴力的な養育をしていることに対して、スウェーデンの当局は当該保護者の児童の養育を不適切と判断することが見られる。また制度の申請が適切に行われず不利益を被ることがあり、間に立つソーシャルワーカーが苦慮していることが伺われた。
以上より、カルチュラルコンピテンスのジレンマが生じる場合と生じない場合が認識された。いかにすれば適切にカルチュラルコンピテンスのジレンマを感じることが出来るようにするのかを検討していく必要性が認められた。これは本テーマの克服を考える前にジレンマを感じていないという状況を認識したためである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

日本においては順調にインタビューしてきたものの、コロナにより台湾とスウェーデンで現地調査をすることが妨げられた。さらにはスウェーデンでは治安の悪化、ウクライナ紛争により現地に行くことが阻まれた。よって台湾とスウェーデンで現地インタビューを確実にするために延長が求められる。

今後の研究の推進方策

当初予定していた日本と台湾のスウェーデンの調査をして遅れを取り戻したい。すでにスウェーデンでは先方の支援機関と教育機関とのアクセスはしているため、現地でのインタビューをするようにしたい
。前述したように日本においては順調にインタビューしてきたものの、上記のスウェーデンなどから得られた知見を基にさらに比較するための資料を得ていきたい。

次年度使用額が生じた理由

スウェーデンにおいてインタビューを予定しており旅費を計上していたが、スウェーデンの治安悪化とウクライナ紛争により調査に行くことが困難となった。よって予定額を使用することが出来ず、次年度にスウェーデンに訪問して調査するようにしたい

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公開日: 2024-12-25  

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