研究課題/領域番号 |
21K02004
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研究機関 | 立正大学 |
研究代表者 |
関水 徹平 立正大学, 社会福祉学部, 准教授 (40547634)
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研究分担者 |
遠藤 希和子 金城学院大学, 人間科学部, 講師 (00814005)
堀口 佐知子 立正大学, 社会福祉研究所, 客員研究員 (30514541)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ひきこもり / 福祉レジーム / 8050問題 / 家族主義 / ソーシャルワーク |
研究実績の概要 |
2021年4月から2022年3月の間、計13回の研究会を実施し、4月から7月にかけては、調査実施の準備(ビニェットを用いた質的調査の先行研究に関する検討)、調査に使用するビニェット(典型的なひきこもり事例として、大学卒業後の無業状態となった男性が50代になるまでのプロセスについての短い記述)の作成、質問項目の作成、調査協力者の選定・アポイントメント調整等を行った。8月以降に、対人援助専門職の方々を対象に、日独英の3カ国においてインタビューを実施した。インタビューは、ドイツで6件、イギリスで3件、日本で3件実施した(対面実施はドイツで2件、他はオンラインで実施した)。調査対象者は対人援助専門職の中でもソーシャルワーカーを中心としたが、心理カウンセラーにも話を伺うことができた。日本の典型的なひきこもり事例について、対人援助専門職からは、日本、ドイツ、イギリスそれぞれの生活保障のしくみと相関する、特徴的な語りを見出すことができた。詳細な分析は今後学会発表と投稿論文を通じて発表する。現時点では、2022年6月に開催されるEast Asian Social Policy research network (EASP) の研究大会にて、日本とイギリスでの調査データをもとにした比較検討の成果を報告することが決まっている。スウェーデンについても、現地のソーシャルワーカーとコンタクトを取り、スウェーデンにおけるひきこもり支援に関連する報告書等の情報提供を受け、調査準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度は調査準備も順調に進み、コロナ禍で調査協力者探しが難航することが予想されたインタビュー調査についても、研究分担者の努力により、日英独の3カ国で計12名の対人援助専門職に対して調査を実施することができたため、おおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
今後、ドイツ、日本、イギリスで、追加の調査協力者を探し、できれば各国各国6名から8名程度のインフォーマントを得たいと考えている。またこれまでに調査協力いただいた方にも、グループインタビュー等でさらに深めたヒアリングを実施することも検討している。まだ調査が実施できていないスウェーデンについても、現在ソーシャルワーカーの方とコンタクトをとっており、調査協力者を見出す目処が立ちつつある。2022年度後半からスウェーデンの対人援助専門職を対象とする(オンラインもしくは対面で実施)。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で本来対面で実施したかった調査をオンラインで実施せざるを得なかったが、結果的に予算面では渡航費等について支出が抑制されたため、次年度使用額が生じた。2022年度以降は、現地の様子やインフォーマントとの関係構築・さらなるインフォーマントの発掘のためにも、できるだけ現地に赴き対面での調査実施を予定しており、次年度使用額については調査実施に関わる渡航費等に支出する予定である。
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