小児がんは成人のがんに比べ根治を望める疾患である。反面、小児期にがんを経験するということは本人・家族にとって強烈なストレス体験であり、周囲の心理社会的サポートが欠かせない。これらのサポートを適切に行なうことにより、小児がんというネガティブな体験を自分の人生の一部に組み込み、闘病生活後のそれぞれのより良い人生に戻っていくこと、これが真の意味での病気の克服であり、小児がん診療におけるレジリエンスの獲得であり、そして我々小児血液腫瘍医の最終的な願いである。本研究で、必要な心理社会的サポートは多岐に渡ることが判明した。少子化の現代において、一人でも多くのこどもの命と人生を守る事の重要性は高いと考える。
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