研究課題/領域番号 |
21K02060
|
研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
奥田 睦子 京都産業大学, 現代社会学部, 教授 (90320895)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 精神障がい者 / フットサル / 地域スポーツクラブ / 多職種連携 / ごちゃまぜ |
研究実績の概要 |
I県における精神障がい者のフットサルを中心とするチームが、福祉サービスとしての一領域から地域のクラブ活動(以下、地域クラブ活動)への移行していくことに際して、必要な要件について、関係者へのヒアリングを基に考察を行った。その結果、以下の結果を得た。 必要な要件として、①「ごちゃまぜ」、②「多職種連携」、③「アソビゴコロ」の3つのキーワードが関係者から強調された。「こちゃまぜ」とは、福祉サービスでは「利用者-支援者」という関係性の固定化が生じるけれども、地域クラブ活動では場面ごとに得意な人が入れ替わりながらリード(時には子どもが大人をリード)していくことも可能であり、対象者のごちゃまぜ性だけではなく、関係性についてのごちゃまぜ性が重要であるということが明らかとなった。また、②「多職種連携」については、地域クラブ活動の時間内だけに目を向けるのではなく、参加者の生活している地域での暮らし全体に目を向ける視点が重要であり、すなわち、医療や福祉の領域のみならず、買い物を行う小売店や理美容店、居住に関する不動産会社など、地域で行う活動だからこその生活者としての参加者とその地域に暮らす人、組織と組織のつながりを活かすことが大切であるということが明らかとなった。このように多くの人や組織が関わり、共に楽しんだり支え合ったりできる活動として発展させていくためには、活動がフットサルだけにとらわれてしまうと、その活動に関心のある人しか巻き込むことが難しくなることから、時にはみんなで音楽鑑賞をしたりハイキングに行ったりと、活動の幅にゆとりをもたせる③「アソビゴコロ」が大切であるということが明らかとなった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍であったことから、現地に出向いての直接的な参与観察やヒアリング調査が十分に行えなかったり、海外調査に行けなかったことによる。
|
今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルスの感染状況にもよるが、可能な限り現地(海外も含めて)に出向いてのヒアリング調査や資料収集等を行いたいと考えている。ただし、相手方の状況にもよるため、現地に出向くことができない場合には、こちらの都合を押し付けることなくオンラインによる調査を打診していく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で、海外調査に行けなかったことが大きい。 使用計画について、新型コロナウィルスの感染への懸念が払しょくされた場合には、訪独し資料収集を行う。また、研究会が対面で実施される場合には、ディスカッションへの参加がしやすいため、できる限り対面での参加し研究に関する示唆を得る。それらの交通費や訪独時の通訳等に使用する予定である。
|