研究課題/領域番号 |
21K02061
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
城下 賢一 大阪医科薬科大学, 薬学部, 准教授 (70402948)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 医療制度史 / 薬事制度史 / 医療提供体制 / 薬局適正配置 / 商工組合 |
研究実績の概要 |
初年度である2021年度には、研究計画にそって所要の作業を段階的に行った。第一に、本研究の主要資料である高田日記の読解・翻刻を進めた。対象とする期間のうち未翻刻のものについては翻刻を行い、また翻刻が終ったものについては順次人物や団体、事項の調査を行い、内容の把握に努めた。第二に、政策過程に関して主に新聞資料を閲覧・収集した。医療制度・医療提供体制に関しては専門性が高いために一般の新聞雑誌に記事がそれほど多く掲載されているわけではないが、掲載されているものについてはデータベースを使用して収集し整理した。他方、これに関しては多くの専門紙誌があり豊富な報道が行われている。これら専門紙誌は所蔵施設がごく限られており、一般紙誌のようなデータベースが充実しているわけではないので、所蔵館に直接足を運んで閲覧し、必要に応じて複写した。第三に、関係する公文書のリストアップを行った。政府関係機関のデータベースを用いて現用文書や公文書を調査して関係性の高そうな公文書のリストを作成し、今後の閲覧・開示請求のために役立てる。第四に、これらの調査をもとに研究論文を作成した。そのうち勤務先紀要に「日本薬剤師協会による薬業経済安定のこころみ1958-1963」が掲載された。この論文では、日本薬剤師協会による商業組合運動について検討した。同協会は新たな流通業の勃興に対抗して薬局の適正配置を求めていたが、従来その法制化のための運動に多く焦点が当てられていた。これに対して、業界がより自主的な努力によって適正配置を実現しようとしていた側面に着目し、その手段として商業組合運動の展開を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画に予定した内容をある程度進めることはできた。ただ、コロナ禍で移動が制限される期間が長期間にわたったため、関係する資料を所蔵している諸機関を訪問して調査することが思うようにできず、次年度の課題となった。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に予定したように、引き続き資料収集を行うとともに、研究成果の公表を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で思うように資料調査のための出張が出来ずに予定していた旅費・複写の支出が困難だった。これに伴い、資料整理の依頼も限定され、謝金の支払いも予定通りには進まなかった。
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