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2022 年度 実施状況報告書

机うつぶせ寝枕使用の午睡を取り入れた高校生版睡眠教育プログラムの開発と検証

研究課題

研究課題/領域番号 21K02077
研究機関金沢医科大学

研究代表者

中島 素子  金沢医科大学, 医学部, 非常勤講師 (60559508)

研究分担者 池田 美智子  公立小松大学, 保健医療学部, 助教 (60827129)
伊藤 尚子  公立小松大学, 保健医療学部, 講師 (80456681)
櫻井 勝  金沢医科大学, 医学部, 教授 (90397216)
平山 順  公立小松大学, 保健医療学部, 教授 (90510363)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード高校生 / 3次元型睡眠尺度 / 生活習慣 / 部活動状況 / スマートフォン使用時間 / 心と体の不調 / 昼休みの15分午睡
研究実績の概要

日本の高校生の睡眠時間が短いことは国際的にも指摘されており,適切な睡眠習慣の重要性は論を俟たない.本研究の目的は,高校生の睡眠習慣と生活習慣・こころと体の不調との関連を調査し,さらに15分以内の午睡を取り入れた双方向性睡眠教育プログラムが有効か検討することを目的とする.
高校生を対象とし,調査項目は睡眠指標として睡眠の位相(リズム)・質・量を測る3次元型睡眠尺度(3 Dimensional Sleep Scale),生活習慣項目・こころと体の不調の項目を自記式質問紙で調査した.2021年度及び2022年度にわたって,睡眠教育プログラム教育前・教育1か月後・1年後・2年後を追跡調査し,集団の結果の検討およびレコードリンケージによる個人の結果変動を検討した.
2022年度は2021年7月在席の全生徒952名を対象とした横断調査を活用して,目的変数を居眠り,説明変数を生活習慣,睡眠習慣,心や体の不調との関連について学年別で層化し解析を行った.結果は952名中,有効回答者941名(98.8%)であった.居眠りありの者は,1学年22,4%,2学年27.8%,3学年24.8%であった.生活習慣との関連では,居眠りありの者では1,2学年で「夜型である」,1学年で「就寝直前までのIT使用」が多かった.睡眠習慣との関連では,居眠りありの者では全学年で「睡眠6時間未満」,「12時以降に寝る」「睡眠不足感あり」「起床時の疲労感」「夕方の眠気」,1,2学年で「起床時の熟睡感なし」「眠れないことが不安」が多かった.心や体の不調との関連では,居眠りありの者では,全学年で「気分の落ち込み」「倦怠感」「消化器症状」,2,3学年で「イラッとする」「立ち眩みや眩暈」,3学年で「頭痛あり」と訴える者が多かった.これらの結果から居眠りは日々の生活習慣,睡眠習慣と関連があり,こころと体の不調との関連も認めた.またその傾向は学年ごとに特徴があった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2021年度の研究開始からCOVID-19の感染症拡大により,対象高校の2か月間の学校閉鎖,その後,半年間の部活動停止など正常な高校生活が中断され,通常の高校生活のみならず,睡眠習慣にもおおきな影響を与えた.それにより研究計画が2022年度にずれ込むこととなった.またコロナ禍での感染予防として学年全員を集めてのグループワークを含む睡眠教育プログラムの変更を余儀なくされ,研究計画で予定していた午睡用の机上枕についても唾液付着などの感染対策の観点から,生徒個人の管理として机の中に入る大きさに変更せざるを得なかったなどの問題点もあり,15分以内の午睡の実施率は低かった.
一方,高校側の全面協力で毎回の自記式質問紙調査の回収率は高く,その結果報告は1か月以内を目途に,高校側に集団の結果,生徒側には個人の結果を経年的に評価し結果の解釈および今後の睡眠衛生のアドバイスを添付して調査対象者全員に「睡眠調査結果報告書(個人)」を配布することができた.
また報告書はカラー印刷し学年全体の調査結果と個人の調査結果を客観的に比較検討できるよう,当初の計画より詳細かつ興味を引き付ける内容とし,次回の調査参加の動機付けも図った.
現在は,2021年度,2022年度の1~3年生の全学年の横断調査結果の解析,2021年度入学生の睡眠教育プログラム教育前・教育1か月後・1年後・2年後調査,2022年度入学生の睡眠教育プログラム教育前・教育1か月後・1年後の調査のデータ集計,データベースの構築中である.

今後の研究の推進方策

今年度は今までの調査結果を踏まえたうえで,部活動(運動部・文化部・無所属)およびスマートフォン使用時間を月曜日から金曜日・土曜日・日曜日の曜日別に追加調査し,睡眠状況や心と体の不調にどのように関連するのかも検討する予定である.
2021年度全生徒(952名)・2022年度全生徒(930名)の調査結果の解析,さらに2021年度入学の生徒(309名)及び2022年度入学の生徒(314名)の睡眠教育介入前・1か月後・1年後・2年後の追跡調査のデータ集計し,レコードリンケージによる個人の変動を観察し,本プログラムの有効性を検証したい.
しかし,データ解析は新型コロナ感染症の影響を受けている可能性があり,今後慎重に検討したいと考えている.

次年度使用額が生じた理由

2022年度は新型コロナ感染症のため,直接出向いての調査ができず,モバイル機器(スマートフォン)で調査を実施したため,入力費が減額となった.またモバイル機器(スマートフォン)入力のため,レコードリンケージおよびデータベースの構築費は予定どおり執行した.今後の追加調査については高校側と検討中であり,2022年度に使用しなかった入力費などの経費を2023年度に繰り越して使用する予定である.
また2021年度および2022年度の調査結果は順次解析し,横断研究報告として国内外の学会に発表し,2021年度から2023年の追跡結果については縦断研究として論文化したいと考えている.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 高校生の授業中の居眠りと睡眠習慣・生活習慣との関連について2022

    • 著者名/発表者名
      中島素子,櫻井 勝,林田光,平山順,中田明恵,池田美智子,村井裕
    • 学会等名
      第81回日本公衆衛生学会
  • [学会発表] 高校生の居眠りとその要因についての検討2022

    • 著者名/発表者名
      中島 素子・櫻井 勝・村井 裕
    • 学会等名
      第78回北陸学校保健学会

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公開日: 2023-12-25  

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