研究課題/領域番号 |
21K02078
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研究機関 | 福山市立大学 |
研究代表者 |
正保 正惠 福山市立大学, 教育学部, 教授 (00249583)
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研究分担者 |
弘田 陽介 福山市立大学, 教育学部, 教授 (60440963)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 虐待予防教育 / 子育て教育プログラム / 子育て世代包括支援センター / ポリヴェーガル理論 / 安心 / ボディワーク / 福祉と教育の接合 |
研究実績の概要 |
(1)令和3年度に行う予定であった日本・欧米の虐待予防教育と教師教育論などの関わる理論化のための基礎文献教育のための基礎文献収集と分析については、後述する子育て包括支援センター職員に対するインタビューを行った中で課題のある妊婦の心身を日常の中で生かしていけるかもしれない「ポリヴェーガル理論」をカリキュラムに入れていくべく、新たな理論化を目指しながら予備的な実践を行った。 (2)子育て包括支援センター相談における課題の収集・分析については、先述の通り、インタビュー調査とアンケート調査を行っている。分析を進めているが、まだ論文化には至っていない。 (3)分析と同時に福山市の子育て包括支援センターに依頼して「気になる妊婦さん」にチラシを配っていただき、先のポリヴェーガル理論に基づいた実践も含めた講座を企画しした。実際には予定していた日程に広島県が「新型コロナウィルスに対する蔓延防止措置」の期間となったため替わって動画配信を行うこととなった。その内容について、論文化を行った。 (4)海外の研究協力者2名には、本研究についての協力の許諾をいただいているが、我々も含めてノルウェー・フィンランドとも新型コロナ対策で研究の進展を図ることが困難であった。 (5)正保は、高校家庭科の指導要領が替わり、虐待予防教育を取り入れた指導要領の中で、教科書と教師用指導書の執筆を行った。 (6)弘田は、日本におけるバックキャスト型子育て支援プログラムに向けた哲学・理論研究を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本国内(当該地域)でできることはおおむね順調に進めているが、海外との比較を行うための準備は全く進められていない。これは、ひとえに新型コロナウィルス蔓延についての安全確認ができなかったためである。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度は、海外先進地に赴いて観察・インタビューを行う予定であったが、これらの課題が今年行える見通しが立っていないため、今年度の予定であった海外調査は来年度以降に先送りをしたいと考えており、科研の研究期間の延長を見すえながら、国内でできる研究を進める。また、それに伴い学会発表等も延期する予定である。 今年度新たに研究メンバーに加わっていただいた臨床心理学がご専門の山内加奈子講師を中心に、「被虐待(あるいはそのおそれ)経験を持つ高校生が教室にいる場合の一斉授業における虐待予防教育」の在り方について、臨床心理士へのインタビューを行い、日本でのバックキャスト型子育て支援教育プログラムの構築に向けた研究を行う。 また、令和3年度に行ったインタビューにおいて「気になる妊婦」の中にメンタルが弱い妊婦が挙げられていることから、日本人の「自己肯定感の低さ」を克服するためのプログラムも視野に入れて文献等を調べていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外の研究協力者へのヒアリング等を行い、令和4年度の観察・インタビューの準備を行う予定であったが、コロナ禍のため訪問の目途が全く立たず、したがって準備のためのヒアリングも延期となったため。 今年度、新型コロナの状況を睨みながら海外研究者とのコンタクトをとっていきたいと考えている。
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