難消化性食品や難消化性成分について,志賀毒素産生性大腸菌O157産生志賀毒素(Stx)吸着能を検討した。その結果,スジアオノリ由来のラムナン硫酸,アラメ由来のフコイダン,キトサン(カニ由来)に顕著なStx吸着能を見出した。有効成分とStxの吸着により,腸管細胞CACO-2へのStx結合が阻止され,アポトーシス誘導を介する細胞死を回避していた。ラムナン硫酸やフコイダンの吸着能は構成糖比や高分子度に起因し,アミノ基を有するキトサンの吸着能は高分子度に起因するが,アミノ基の数もその吸着能に大きく関与すると考えられる。
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