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2023 年度 実績報告書

糖尿病における高LDL血症発症の新しいメカニズム解明と食品成分による改善法の検討

研究課題

研究課題/領域番号 21K02110
研究機関新潟県立大学

研究代表者

萩原 真  新潟県立大学, 人間生活学部, 助教 (30546099)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード高血糖 / 糖尿病 / エンドサイトーシス / 小胞輸送 / Rab5 / コレステロール / 炎症 / MAPK
研究実績の概要

糖尿病は厚生労働省が定める重大疾病の一つである。糖尿病は、LDLコレステロールの血中濃度が高い状態である高LDL血症のリスクを高める。高LDL血症は、動脈硬化形成を促進し、心疾患や脳梗塞の原因となることが報告されており、ヒトを対象とした調査では、糖尿病患者の7割が心疾患と脳梗塞で死亡している。本研究では、糖尿病における高LDL血症発症のメカニズム解明と食品由来成分による高LDL血症改善法を検討する。
申請者の研究において、高グルコース培地で培養細胞を培養すると、MAPキナーゼのリン酸化が上昇し、炎症性サイトカインの発現が上昇することが明らかとなった。炎症性サイトカインは、動脈硬化の発症や悪化に関わることが知られており、高血糖における炎症性サイトカインの発現上昇は、動脈硬化の原因となることが考えられる。さらに、高グルコース培地で培養細胞を培養すると、Rab5の活性が抑制され、エンドサイトーシスによるLDLコレステロールの細胞内への取り込みが低下していることが明らかとなった。これらのことより、高血糖は、エンドサイトーシスを阻害して、血中LDL-Cho濃度を高める可能性が考えられた。血中LDL濃度の上昇は、動脈硬化の原因となるため、高血糖が、エンドサイトーシスを阻害して、糖尿病における動脈硬化症のリスクを高める可能性が考えられる。また、糖尿病における高LDL血症を改善することを目的として、Rab5の活性を上昇させる食品由来因子を探し出すことを検討した。その結果、特許などの可能性があるため詳細は控えるが、Rab5の活性を上昇させる食品由来因子を見い出した。
以上のことより、糖尿病における高LDL血症発症のメカニズム解明と食品成分による改善法の検討について、当初の目的を達成できたものと考える。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 食塩と認知症2024

    • 著者名/発表者名
      萩原真
    • 雑誌名

      食と医療

      巻: 28 ページ: 34-41

  • [学会発表] 低分子量Gタンパク質Rab5の解析ー栄養素がエンドサイトーシスを調節する2024

    • 著者名/発表者名
      萩原真
    • 学会等名
      Spring-GTP Workshop
  • [学会発表] 玄米に含まれる免疫力活性化成分LPSの作用機構の解析2023

    • 著者名/発表者名
      萩原真、永野 忠聖、松下健二
    • 学会等名
      お米の未来を考えるシンポジウム
  • [学会発表] オルニチンの免疫力活性化機構の解析2023

    • 著者名/発表者名
      萩原真、永野 忠聖、松下健二
    • 学会等名
      日本分子生物学会
  • [学会発表] グルコースはエンドサイトーシスを変化させる2023

    • 著者名/発表者名
      萩原真、永野 忠聖、松下健二
    • 学会等名
      日本分子生物学会
  • [学会発表] 玄米に含まれる免疫力活性化成分LPSの作用機構の解析2023

    • 著者名/発表者名
      萩原真、永野 忠聖、松下健二
    • 学会等名
      日本分子生物学会
  • [学会発表] 高グルコースによる細胞内シグナル伝達とエンドサイトーシスの変化2023

    • 著者名/発表者名
      萩原真、永野 忠聖、松下健二
    • 学会等名
      日本栄養・食糧学会
  • [図書] タンパク質の構造解析手法と In silicoスクリーニングへの応用事例2023

    • 著者名/発表者名
      萩原真 他87名
    • 総ページ数
      530
    • 出版者
      技術情報協会
    • ISBN
      978-486104-995-8

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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