研究課題/領域番号 |
21K02128
|
研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
志村 結美 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (00403767)
|
研究分担者 |
青木 香保里 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (00258683)
日景 弥生 柴田学園大学, 生活創生学部, 教授 (10142829)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 家庭科教員 / 研修 / キャリアステージ / 指導主事 |
研究実績の概要 |
教員には、時代の変化や自らのキャリアステージに応じて求められる教員としてのコンピテンシー(資質・能力)を身につけ、生涯にわたって学び続ける事が求められている。そのためには、教員の養成・採用・研修の接続をはかることが喫緊の課題とされているが、研修の成果・効果の検証がなされていない、キャリアステージに対応した研修がなされていない等の課題が見られる。そこで本研究は、家庭科教員の育成を、個人のキャリア形成と養成・研修を担う教育行政や教育機関との関連でとらえ、その課題を解明し、養成と研修を繋ぐキャリア形成システムを構築することを目的とする。具体的には、養成・研修を担当する教師教育者(大学教員、指導主事、メンター等)や教員研修受講生等の実態調査を踏まえて、教師教育者を含めた家庭科教員のキャリアステージに応じたコンピテンシーを明らかにし、教職大学院や教員研修における養成・研修システムの構築をめざす。 2021年度は、主にすでに実施している教師教育者調査の検討、分析を行い、シーズ把握を行った。全国の各都道府県等教育委員会における研修の実態調査(指導主事対象)については、すでに申請者らの先行研究(2016~2018年科研費)や、日本家庭科教育学会課題研究(2018~2020年 家庭科教員養成に関する調査・実証研究 代表:日景)において、青森県 教育センター指導主事木村紀子氏の協力のもと研究に着手し、学会にて報告をしている。2021年度は、これらの結果をまとめ、分析を深め、投稿論文とする活動を行った。2022年度に予定している指導主事対象ヒアリング調査やニーズ調査である研修の受講者である家庭科教員対象実態調査の準備として、研究メンバーによる打ち合わせを行い、検討を実施した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍により、2021年度に予定していた教師教育者としての課題を明らかにするための指導主事対象ヒアリング調査を実施することができなかった。しかし、すでに行っていた調査の結果の分析を行い、投稿論文とする活動を行えたことは成果であり、今後の研究のための有意義な活動であったと考えている。2022年度には、夏に研究メンバーが行う愛知県における研修において、研修の受講者である家庭科教員対象実態調査と行うと共に、愛知県を中心とした指導主事にヒアリング調査を行うことを予定している。以上のことから、やや遅れていると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度は、研修に関するニーズ調査として、夏に研究メンバーが行う愛知県における研修において、研修の受講者である家庭科教員対象実態調査を行う。 また、シーズ調査として、愛知県を中心とした指導主事にヒアリング調査を行うことを予定している。また、ケーススタディ調査として、その他の教育委員会や地区研究会の研修に関する調査を行うことも予定している。 2023年度は、それまでの調査をもとに、歴史的変遷や諸外国の実態を鑑み、現代に求められる家庭科教員(教師教育者を含む)のコンピテンシーを明らかにし、家庭科教員対象キャリアステージに応じたキャリア形成システムの開発・検証を行うことを予定している。とともに、調査によって明らかとなったことを論文としてまとめ、報告をしていくことを予定している。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により、指導主事等のヒアリング調査等を行うことができず、主に旅費に関して、執行をすることができなかったため、2022年度以降にその予算の執行を繰り延べることとした。
|