• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

吸水促進に着目した玄米の新規炊飯方法の提案と応用的利用での検討

研究課題

研究課題/領域番号 21K02136
研究機関和洋女子大学

研究代表者

大石 恭子  和洋女子大学, 家政学部, 教授 (40372908)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード玄米 / さし水 / Browning Index / 炊飯 / テクスチャー / 糊化度
研究実績の概要

玄米の炊飯途中で,炊飯液を一度枯渇させてさし水を添加する「びっくり炊き」は江戸時代から伝承されてきた玄米の炊飯方法である。さし水添加が米の吸水を促すため,炊飯前の浸漬を省略し,さらに白飯と同程度の時間で炊飯を終えることができる。本研究では,さし水の回数,量,タイミングの違いがびっくり炊きの飯の特性ならびに炊飯過程での米の変化に与える影響について検証した。
ホーロー鍋に玄米と加水比1.2の水を入れて加熱を開始し,10分後に沸騰,沸騰継続10分後に炊飯液を枯渇させ,そこに加水比1.5の2℃のさし水を加えて沸騰継続20分後に消火,10分間の蒸らしを行った飯を対照試料とした。総加水比は一定とし,さし水を添加するタイミングを2回に分けると,さし水をするたびに米の吸水,膨化,デンプンの糊化が促されるが,白飯と同程度の加熱時間で炊飯を終了させるにはさし水は1回で十分であることが明らかとなった。さし水の最適なタイミングは糊化度が60%程度に達した時点であり,吸水を促す効果が最も大きく,これよりも早くても遅くてもさし水添加の効果が劣ることも示された。
玄米飯の各測定項目の相関関係より,炊き上がり倍率,飯の水分,胚乳露出面積率,BI(Browning Index)値,飯の硬さには,それぞれ著しく高い相関が見られた。これまで玄米飯の外皮の破裂具合を示す「胚乳露出面積率」が玄米の吸水や膨潤の指標になり得るとしてきたが,本研究より,飯粒の色彩測定で得られるBI 値の方が測定が簡便であり,かつ米粒の吸水や飯のテクスチャーを胚乳露出面積率と同じように捉えることができることを明らかにした。低吸水性が課題となる玄米炊飯において,この指標は有効であると考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

業務が多忙のため,研究成果をまとめることが遅れている。

今後の研究の推進方策

研究成果を論文にまとめる

次年度使用額が生じた理由

論文投稿費に充てる予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 玄米炊飯の「びっくり炊き」におけるさし水が炊飯特性および飯の性状に及ぼす影響2023

    • 著者名/発表者名
      渋沢 ひかり、大石 恭子、大田原 美保、香西 みどり
    • 雑誌名

      日本調理科学会誌

      巻: 56 ページ: 123~131

    • DOI

      10.11402/cookeryscience.56.123

    • 査読あり
  • [学会発表] 玄米炊飯法「びっくり炊き」におけるさし水の諸条件の比較2023

    • 著者名/発表者名
      林 倖穂, 大石 恭子
    • 学会等名
      2023年度大会(一社)日本調理科学会
  • [学会発表] 炊飯過程におけるタンパク質の変化と米飯のおいしさとの関係について2023

    • 著者名/発表者名
      大石恭子
    • 学会等名
      2023年度大会(一社)日本調理科学会
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi