本研究では、野生鹿肉の食材としての利活用を目的に、乳酸発酵による有効性について検討した。供試菌株のうち、Latilactobacillus sakei No.23 (LS-23)株は塩漬鹿肉モデル中での良好な発酵性とACE阻害活性と抗酸化活性を示した。LS-23株は乳酸発酵鹿肉製品中で既知の食肉用スターター菌株と併用させることで、良好なpHの低下と水分活性の低下および高い乳酸菌数を示した。また、LS-23株と食肉用スターター菌株との共発酵は乳酸発酵鹿肉製品における強い抗酸化作用とACE阻害活性を発現させるだけでなく、製品のうま味と甘味を増大させることが示唆された。
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