研究課題/領域番号 |
21K02169
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
大日方 真史 三重大学, 教育学部, 准教授 (00712613)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 保護者参加 / 学校参加 / 共通関心 / 学級通信 / 私的関心 / 教育実践 / 教室 |
研究実績の概要 |
本研究は、教室における教師の教育実践の質と、それに対する教師自身の解釈・表象、保護者による解釈・表象に着目し、学校参加に向けた保護者の意識変容の条件となる教室とはいかなる教室であるかを探って、教室における実践と十分に接続された保護者の学校参加の可能性を明らかにしようとするものである。その際、学校参加に向けた保護者の意識として、特に、わが子以外の子どもたちや学級・教室に向けられる関心である「共通関心」に焦点をあてる。 当該年度は、教師が保護者に向けて年間を通して発行してきたある学級通信のテクストを分析し、教室における出来事の教師による表象・記述にアプローチした。取り上げたのは、当該学級通信を読み続けてきた保護者たちにおいて、「共通関心」が形成されていたことが既にインタビュー調査によって確認されている学級通信である。すなわち、保護者における「共通関心」形成を促す条件が整っていると考えられる学級通信自体を対象にして、保護者が実際に読んできたテクストを量的にも質的にも分析し、学級通信の側から「共通関心」の形成条件を追求したのである。この追求を通じて、いかなる記述内容にいかにそれぞれの子どもたちが登場するか、当該学級通信における教師の記述にはいかなる特徴があるかを明らかにし、それらがいかに読者である保護者における「共通関心」形成を促しうるものであるのかを考察した。この研究の成果を論文にまとめ、公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一定の成果について論文にまとめて公表できたため。新たな課題が発見されたため。
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今後の研究の推進方策 |
教室における教育実践の質に対する分析に焦点をあてた追求を進める。学級通信に対する分析手法を発展させつつ、分析をさらに進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた出張を伴う調査を新型コロナウイルス感染拡大等の理由によって実施しなかったため。次年度の調査のための出張、物品購入で使用する計画である。
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