• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実施状況報告書

大正期の体操科教材「教練」に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K02179
研究機関早稲田大学

研究代表者

奥野 武志  早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 講師(任期付) (50802047)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード教練 / 規律的運動 / 永井道明
研究実績の概要

本年度は、1913(大正2)年制定「学校体操教授要目」に規定された体操科教材「教練」の中学校以外の諸学校における実施状況を明らかにするための基礎作業として、①体操科教材「教練」とそれ以前の普通体操における規律的運動との異同、②文部省側委員として学校体操教授要目制定を主導した永井道明が規律的運動によって涵養することを目指した軍隊的精神の意味、の二点の解明に取り組んだ。その成果が「規律的運動としての教練と永井道明の軍隊的精神」(『日本教育史論集』第9号)である。
本研究では、まず学校体操教授要目で教練として整理された規律的運動は、それ以前の普通体操にも存在しており、新たに別の運動を課したものではないことを明らかにした。歩兵操典に基づく軍隊式の動作で行うことと尋常小学校1年から行うことを明確にしたのが大きな変更点ではあるが、永井道明は児童(生徒)本位の立場から児童生徒の発達段階に合わせた教材選択の必要性を強調してもいたのである。
次に本研究は、永井道明が軍隊的精神として重視した「命を棄てても規律を守る」とは、一意専心、すなわち気持ちを入れてものごとに取り組むことと解すべきことを指摘した。この一意専心の重視は、戦闘において物量より精神を重視するという意味での精神主義とは異なり、森有礼の軍事的な側面をむしろ否定したとも言える永井道明の軍隊的精神を軍部イデオロギーと同一視する先行研究は適切でないことを指摘した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

コロナ禍による国会図書館等の閲覧規制により、新聞・雑誌記事の閲覧に支障が生じた。

今後の研究の推進方策

国会図書館等への入館制限は続いているので、インターネットを通じて閲覧可能な資料の収集と分析を先に進めたい。

次年度使用額が生じた理由

37円といった端数まで使い切るのは困難なだけです。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 規律的運動としての教練と永井道明の軍隊的精神2022

    • 著者名/発表者名
      奥野武志
    • 雑誌名

      日本教育史論集

      巻: 9 ページ: -

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi