研究課題
基盤研究(C)
演劇的手法を、教師が子どもたちを引き回す手段ではなく、子どもたち自身が一つの学び方として身につけ活用していけるものにするために必要な発想や手法について、実践事例の創出や演劇人との協働を通して、検討を行った。特に、子どもの活動に介入するか否かをめぐる教師の葛藤、若手教師が新たに演劇的手法に取り組もうとする際に直面しがちな困難、教師が敷いた筋道に沿わせる傾向が特に強い道徳の授業における演劇的手法の可能性などに焦点を合わせた。
教育方法学
演劇的手法に対しては、これまで、教師主導の活動であるという批判が存在し、実際、その悪い例に陥っているような実践事例も存在した。本研究はそれに対し、演劇的手法が子どもたちにとって自ら考えを発展させるためのものになるには何が必要か、そのために教師はどのように環境を整えたり働きかけを行ったりするのかを示すものである。ここでの成果は、実際の学校現場においても、演劇的手法を学び方の一つとして活用するうえでの手がかりになると考えられる。