本研究は、わが国初の地方学力テストの実態を実証的・構造的に解明することを試みた歴史研究であり、47都道府県における戦後から今日までの地方学力テストの歴史的展開を実証的に考察し、その実態を構造的に解明した。3年間の研究期間の研究実績は、47都道府県の地方学力テストに関する資料分析を基に、学術論文4件の刊行と学会発表7件を行ったことである。また、これまでの研究成果を集約し、単著として『地方学力テストの歴史-47都道府県の戦後史-』(風間書房)を2022年2月に刊行した。同著は、日本教育学会と日本学習社会において研究内容が紹介され、高い評価を受けた。 最終年度の研究成果は、学術論文として岩手県と福井県の戦後の学力テスト政策を取り上げ、両県の特徴を指摘した。学会発表としては、愛知県内全ての公立小・中学校で行われている「学校テスト」の実態を解明したことと、北海道の戦後の学力向上政策の特徴を指摘した。また、学術論文の執筆及び学会発表の合間には、地方学力テストに関する資料の調査・収集を継続し、宮城・岩手・京都・大阪・岡山など約30の都道府県の県立図書館や(総合)教育センターを訪問した。 研究期間全体を通じて実施した研究成果については、3年間の研究活動や論文を掲載した科学研究費基盤研究(C)報告書『地方学力テストの歴史的構造研究~研究成果報告書(2021年-2023年)~』(2024年3月31日)を刊行し、関係機関や研究者に配布した。
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