研究課題/領域番号 |
21K02215
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
棚野 勝文 岐阜大学, 教育学研究科, 教授 (30774559)
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研究分担者 |
長倉 守 岐阜大学, 教育学研究科, 准教授 (20734205)
吉澤 寛之 岐阜大学, 教育学研究科, 准教授 (70449453)
芥川 祐征 岐阜大学, 教育学研究科, 助教 (80757542)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 学校経営 / コロナ禍 / 組織文化 |
研究実績の概要 |
本研究は、2020年日本のコロナ禍に伴う学校休校期間、学校再開後に、学校現場は、どのように教育活動の継続を担保し、また、課題点は何であったかに関する実態調査・記録を主な目的とする。具体的には、【研究課題1】2020年のコロナ禍における各学校の教育活動の調査・記録、並びに、それら教育活動が、地域性や学校規模など学校を取り巻く環境要因と、どのような関係性を見ることができるかを、全国小中学校を対象に層化抽出による量的調査により明らかにする(令和3年度~4年度)。【研究課題2】量的調査と並行し、学校管理職に対するインタビュー調査を実施し、コロナ禍における教育活動の実態とその教育経営過程、課題などを明らかにする(令和3年度~5年度)。【研究課題3】新型コロナウィルス感染者数を抑えている台湾において、学校一斉休校を実施せず、教育活動を継続した台湾の学校事例を調査することで、感染症対策と学校教育活動の継承性に関する危機管理体制を明らかにする(令和3年度~4年度)。【研究課題4】以上を通じて、コロナ禍における教育活動の継続性に関する基本的データ、実践記録、並びに、そこから見えるウイズコロナ期における効果的な教育活動、また、新たな感染症に対する継続可能な教育活動の在り方等を、危機管理の視点から導出する(令和4年度~5年度)の4課題とした。 当該年度においては、【研究課題1】において、全国小中学校約2500校を対象に各校の意思決定方法や教育委員会との関係性など学校組織文化並びにコロナ禍における教育活動の量的調査を実施した。また、【研究課題2】において、全国13校の小中学校校長へのインタビューによる質的調査を実施した。 本年度は、量的調査、質的調査結果を分析・考察し、学会発表や論文発表を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度は、研究4課題のうち、【研究課題1】2020年のコロナ禍における各学校の教育活動の調査・記録、並びに、それら教育活動が、地域性や学校規模など学校を取り巻く環境要因と、どのような関係性を見ることができるかを、全国小中学校を対象に層化抽出による量的調査により明らかにする(令和3年度~4年度)。【研究課題2】量的調査と並行し、学校管理職に対するインタビュー調査を実施し、コロナ禍における教育活動の実態とその教育経営過程、課題などを明らかにする(令和3年度~5年度)を順調に実施できた。 一方で、コロナ禍の影響もあり、【研究課題2】の校長へのインタビュー調査は、計画通りに実施できないケースや、遠隔によるインタビューとなったケースもあった。また、【研究課題3】新型コロナウィルス感染者数を抑えている台湾において、学校一斉休校を実施せず、教育活動を継続した台湾の学校事例を調査することで、感染症対策と学校教育活動の継承性に関する危機管理体制を明らかにする(令和3年度~4年度)ことは、海外渡航が制限されており、実施できなかった。 本年度は、コロナ禍の状況を見ながら、未実施の調査を進めるとともに、すでに修了した量的調査を中心に、分析・考察を実施し、学会等への論文や口頭による発表予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、【研究課題1】の各校の2020年度コロナ禍における教育活動実態調査は終了しており、集まったデータの分析・考察のうえ、学会等への論文や口頭による発表予定である。また、【研究課題2】の校長へのインタビュー調査は、コロナ禍の状況により、計画はしていたが、実施できなかった学校があり、今後状況をみて、実施可能な場合は、追加実施をする。 【研究課題3】台湾の学校教育活動調査は、コロナ禍の影響による台湾への渡航制限が緩和され次第、実施計画である。 また、以上課題研究1~3を進行しながら、最終的には、【研究課題4】総合的な考察、新たな感染症に対する危機管理的視点からの提言を纏める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度は、コロナ禍の影響により、計画していた台湾における学校教育活動に関する調査研究が実施できなかった。本年度は台湾への渡航条件をみながら、台湾への実地調査研究を実施する計画である。
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