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2023 年度 実施状況報告書

ニヒリスティック・ケイパビリティに着目した人間形成観の拡張と提案

研究課題

研究課題/領域番号 21K02217
研究機関京都教育大学

研究代表者

相澤 伸幸  京都教育大学, 教育学部, 教授 (20331259)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード教育哲学 / H・スペンサー / J・G・ヘルダー
研究実績の概要

本研究の目的は、「ニヒリスティック・ケイパビリティ」という新しい理念を提唱し、その理念を教育学の前提として織り込んだ場合の人間形成観・教育観を検討し提案することである。研究の前提として、今日の教育学の学的基底には、progress、development、change、advanceといった概念がすでにつねに組み込まれていると考えている。そのため、いったんその構造としてのエコシステムを起源的遡及により解体してみることに今年度は取り組んだ。その端緒の1つとしてハーバート・スペンサー(1820-1903)の思想に着目しており、彼の思想を昨年度以上に掘り下げていった。
現時点では、スペンサーに至るまで、ゲーテ(1749-1832)のモルフォロギーを中心とする、ヘルダー(1744-1803)やヘーゲル(1770-1831)やシェリング(1775-1854)の受容、あるいはライプニッツ(1646-1716)のモナド論などの哲学的な思想潮流と、ニュートン(1642-1727)、フォン・ベーア(1792-1876)、ダーウィン(1809-1882)などの自然各学的思想潮流と、そのほかに医学の影響など複数の影響があったと理解している。しかし、その潮流は複雑で関係性もわかりにくいため、文献を階層的に参照し、整理している途中である。こうした活動の部分的な成果として、2023年8月5日に日本ヘルダー学会にてシンポジウムを単独で企画し、隣接する研究者と発表した。そこでの議論などを踏まえて、論文にまとめている途中である。
ただし、研究計画に従ってヨーロッパでの調査研究を実施するための計画を立てて準備と調整を行ったが、その後、予約した航空機の欠航になり、実現できなかったことが残念である。そのため、昨年度に引き続き、今年度も文献を中心とした研究を継続した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

航空会社の都合による航空機の欠航により、研究計画にあったヨーロッパでの海外調査は中止にせざるを得なかった。その代わり、全国学会でのシンポジウムの企画などを前倒しで行うことで、成果の発表などは予定よりも早く達成できたので、おおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

研究会や関連学会にて積極的に発表し、論文にまとめていく。そしてそれを学会誌に投稿するなど、当初の計画に沿って研究を推進する。

次年度使用額が生じた理由

航空会社の都合によって航空機が欠航となり、ヨーロッパでの海外調査が中止となったため次年度使用額が生ずる結果となった。再度予定を立て直し、次年度以降で実施できるようにしたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] スペンサーの社会有機体説が明治日本のアカデミズムに与えた影響2023

    • 著者名/発表者名
      相澤伸幸
    • 学会等名
      日本ヘルダー学会
  • [図書] 教育哲学事典2023

    • 著者名/発表者名
      教育哲学会 編
    • 総ページ数
      2
    • 出版者
      丸善出版
    • ISBN
      9784621308219

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公開日: 2024-12-25  

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