研究課題/領域番号 |
21K02218
|
研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
香川 奈緒美 島根大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (80622399)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 教師教育 / 学力観 / コンピテンシー |
研究実績の概要 |
グローバル化や情報技術革新をうけ、ますます予測困難な社会へと急速に変化している。これに伴い、学校教育においても、特定の知識をできるだけ多く身に着けることに力を入れた従来型の教育ではなく、予想困難な社会を生き抜くために必要とされる主体性や思考力、探究力、判断力などを高める新たな教育を行うことが期待されている。ここで必要不可欠であるのは、この新しい教育の実践を担う教師の要請を機関である教員養成学部における変化である。 2021年度は、国内外の文献調査に合わせて、我が国の教員養成学部における変化をどのように観ることが適当であるかの理論形成を行った。具体的には、国内にある44大学の教員養成学部のシラバス調査を実施し、教育カリキュラムや教育方法に関わる講義の内容の分析を行った。また、4大学の教員養成プログラムに関わる研究者にインタビュー調査を実施し、学力観の変化に伴い、各担当講義においてどのような変化を加えたのか、および、プログラム全体としてどのような変化をカリキュラムに加えたのか、についての意見を収集した。 調査から明らかになってきたことは以下の2点。まず、コンピテンシーという用語の理解とその教育分野における活用に関わり、我が国と国外で差がみられた。国内ではリスト化されたスタンダードやチェック項目として提示されるなどの誤用が目立つことから、この用語の利用自体に工夫が必要である点がみえた。2点目は、教員養成学部内にもたらされる変化が、研究者ごとに独立している場合が多く、学部組織全体としての変化とは言えないケースの捉え方を検討する必要性が見えた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
教師のコンピテンシーに関わる理論と実践研究の先行研究のうち、研究論文やシラバスの分析は予定通り実施している。しかし、コロナ感染症拡大の影響を受け、国内外の移動制限がかかり、インタビュー調査とオンライン化されていない資料の収集が遅れていると言わざるを得ない。
|
今後の研究の推進方策 |
おおよそ予定通りに研究を進めていく。2022年度は特に、1)教師のコンピテンシー概念の捉え方の国際比較を中心とした理論形成と資料分析、また2)学力観変化への応答に関わるインタビュー調査を実施する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ感染症の影響拡大により、予定していた国内外の調査が実施できなかったことによる。2022年度に実施予定。
|