研究課題/領域番号 |
21K02229
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研究機関 | 畿央大学 |
研究代表者 |
中村 恵 畿央大学, 教育学部, 教授 (90516452)
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研究分担者 |
小柳 和喜雄 関西大学, 総合情報学部, 教授 (00225591)
古川 恵美 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (20636732)
塚田 義典 摂南大学, 経営学部, 准教授 (50622643)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | アセスメント / リフレクション / オープン・ダイアローグ / フィンランド / ドキュメンテーション |
研究実績の概要 |
日本では保育プロセスとアウトカム(成果)という質の一次的側面について,従来から観察と記録に基づいた記述を通して子ども理解を評価につなげてきたため,質の二次的側面への意識は薄かった.二次的側面に目を向けるためには,子どもとそこに関わる保育者や保護者等が相互に行為主体性を発揮していくことが不可欠である.そこで,子どもや保育者,保護者らが様々な環境に主体的に関わる過程で,互いに学び合う共主体としてカリキュラムマネジメントに参画する多元的アセスメントモデルを開発する.具体的には,保育の当事者が評価に参画できる形成的評価システムをICTを活用して構築し,運用評価を通じて,多元的アセスメントモデルの開発を行い,必要な要件や環境を明らかにする. 本研究の目的は,保育プロセスの質と個人のアウトカムの質を「ドキュメンテーション」「ナラティブ・アセスメント」「ダイアローグ」の各フェーズで評価につなげる形成評価システムをICTを活用して構築し,二次的側面である集団のアウトカムを捉える多元的アセスメントモデルへの拡張に必要な要件や環境を明らかにすることである. 「ドキュメンテーション」においては,研究協力者の幼稚園における実践を通して,子どもがタブレット端末を扱う実態や,ドキュメンテーションに参画するための環境構成デザイン等が明らかになった. 「ナラティブ・アセスメント」と「ダイアローグ」のフェーズにおいて活用できるウェブアプリについては,実際に研究協力者の幼稚園で試用し,インターフェース等の改良を進めている.また,形成的アセスメントにおける「オープン・ダイアローグ」の手法について,フィンランドでのセミナー(オンライン)に参加し,ガイドライン作成のベースデザインに活かす準備が整った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウィルスの流行により,フィンランドの現地視察は行うことができなかったが,かわりにオンライン視察やオンライン会議等を利用して,現地の研究者等と連携をとることにより,おおむね予定通りの調査は行うことができた. Webアプリについては予定通り開発が進んでいて,研究協力者が勤務する幼稚園における実証調査も開始した.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,ナラティブアセスメントを実践するための,LTをベースとした医療・保健・教育的視点をとりいれた日本版ガイドラインを完成させ,実践協力園での運用及び検証に繋げる.その際に,開発したWebアプリの運用も行い,動作性等についての検証も行いたい.
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍によりフィンランドでの実施調査を実施できなかったため,次年度以降に調査を持ち越すため
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