研究課題/領域番号 |
21K02234
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
貞廣 斎子 千葉大学, 教育学部, 教授 (80361400)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 教員定数 / 教科担任制 / 小学校 / 政府間関係 |
研究実績の概要 |
小学校高学年における教科担任制は、2021年度から本格導入が始まったものの、加配教員が2025年度までに3800名程度(5校に1校程度配置)に留まることや、政策導入の目的が2種の異なる目的-系統的指導の保障と教員の働き方改革の両立を目指していることもあり、導入はそれほど簡単ではなく、各自治体や各学校での試行錯誤が始まった段階である。 昨年度は、今後行うシミュレーションの地固めとして、具体的導入形態-①担任間での授業交換(例:兵庫型教科担任制)、②加配教員等を活用した専科授業、③管理職による専科授業、④合同授業での専科授業(①を伴う場合もあり)、⑤中学校教員による専科授業等を整理した。 今年度は更に、特定の自治体で導入されている形態-学年に非常勤講師を配置することで、学級担任を持たない主任教諭の学年配置を行い、授業交換することで、教育の質向上を目指す事例に着目した。 上記の形態については、今後のシミュレーションにも入れ込んで行くとともに、同自治体との共同的研究活動により、特に有効な学校とグッドプラクティのの抽出を行う方向性を検討している。 なお、上記の研究と並行して、比較研究の観点から、英国、スウェーデン、中国(上海地区)、オーストラリア等での小学校教科担任制導入状況をリサーチし、比較検証を行った。その結果、初等教育レベルでの教科担任制は、諸外国では一部の地域を除いて一般的ではなく、むしろ一人の教員が多くの教科を担う学級担任担当形式が採用されている実態が明らかになった。これらのことから、我が国の小学校における教科担任制は、いわば敢えて導入されようとしている独自の仕組みでもあるともいえ、比較研究の観点からもその功罪を検証する必要性が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍以降、未だ多忙な学校や教育委員会に調査を行うことが憚られ、基礎的調査実施が延期されている。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度中の調査実施を目指す。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍以降の学校や教育委員会の状況を鑑み、調査を後ろ倒しにしているため。
|